第22話
あれから様子を見ているが、散発的な襲撃はあるがあの時のような大規模襲撃は起こっていない。散発的な襲撃といっても一、二羽程度である程度この拠点に近づかないと狙ってこない。
「魔力量に対して魔力隠蔽が足りないのか、それともコモンラッシュバードの魔力感知が優れているかのどちらかか、両方か」
まあ一定の効果があるからいいか。そういえばコモンラッシュバードの素材を、詳しく見ていなかったな。見ていくか。
コモンラッシュバードの羽
コモンラッシュバードの羽。加工をすることで柔らかくしたり硬くしたりできる。微量の魔力が込められている。
コモンラッシュバードの肉
コモンラッシュバードの肉。微量の微量の魔力が込められている。
コモンラッシュバードの嘴
コモンラッシュバードの嘴。先端は硬いため刺すのに適している。微量の魔力が込められている。
コモンラッシュバードの鉤爪
コモンラッシュバードの鉤爪。掴むのは得意だが、持ち上げるのは不得意。微量の魔力が込められている。
肉と鉤爪は大量にはいらないから、魔石生産施設でリサイクルだな。羽は布団から矢羽と幅広く使えそうだ。嘴は槍だと小さいか? 一応作ってみるが、矢の鏃部分に使えるといいな。
「まあ矢を作るにも木材がないんだけどな」
ランク0の木材ならあるけど、ランクが違う素材で作った武器は脆くなるのがわかっている。だから同ランクの素材を組み合わせて作るのがいいけど、そうなると新しいダンジョンを見つける必要がある。
「できればコモンラッシュバードがいるダンジョンを見つけたいところだけど」
現在手がかりがあるのは、コモンラッシュバードが飛んできた方角だけだ。だからそっちを重点的に探索してみよう。
それに鳥なら休む場所として木が配置されてるかもしれない。それなら伐採できるだろう。もしかしたら果物も入手できればいいな。
そんな感じで考えて数日、これくらいの襲撃なら問題ないと判断して、アインとツヴァイたちを各ダンジョンに派遣した。その間に新しい施設を作ったから見ていこう。
ゴーレム学習施設
ゴーレムを学習させることができる施設。ゴーレムが学んだことを共有して、新しいゴーレムにインプットできる。また知識の整理・改良もできる。
このゴーレム学習施設を新たに作った。今までは自動学習ゴーレムを作るたびに、アインやツヴァイに紹介して知識を共有させていた。そのたびにちょっと時間がかかるし、先日のようにアインたちがいないときに自動学習ゴーレムを作っても活かせない事態になりかねない。
そこでこの施設を作った。これならアインたちの手を煩わせなくても、新しいゴーレムに知識をインプットできる。さらに魔石を使うことで、知識を整理・改良することができる。複数の似た知識からシミュレートしてさらに効率よくできる……らしい。
「いまいち俺もわかってないし、性能も悪いけどなんとなく重要そうだから付けちゃったんだよな」
実際にアインたちに聞いてみたところ、より体が動かしやすくなったり武器の扱いが上手になったらしい。ゴーレムに個性があるのかそれぞれで動きが異なっていたのを、よりよくできるようになったみたいだ。
アインたちに付いて行かせてるゴーレムからの視界を重点的に見ると、コモンポーンアント相手に随分と戦いやすくなっているように見える。それはツヴァイたちも同様で今までよりも簡単に倒せている。
「これなら作ってよかったな。出費は痛いけど」
他にもゴーレム向けの施設がないか探してみるか。何があるかな?
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