第19話
コモンドックダンジョンの三階層を見つけてから二週間、ようやくコモンアントダンジョンの方も三階層を見つけた。鉄を精錬するために集めることを優先していたから時間がかかったな。まあその分施設の方を精錬された鉄製に換装できている。おかげでそれぞれの施設の性能が向上している。まあこれは後について語ろう。
「予想だと三階層はコモンジャイアントアントだよな。これまで以上に硬いのか、それとも他に特徴があるのか……。とりあえず最初の方は慎重に行動しないとな」
アインたちにもそう指示して三階層を進ませる。三階層に入るがこれまでと同じような地形だ。これなら鉄も取れるだろう。
そうして進んでいくと二体のコモンアント?が現れた。予想だとコモンジャイアントアントだったが見た感じ大きさに変わりはない。かといってコモンアントと同じ訳ではなく、なんというか兵士っぽいと言えばいいのか、ちょっと違って見える。
「とりあえずアインたちも同数で戦わせてみるか」
そうして戦わせてみたがこの二体のコモンアント?なのだが連携が取れている。片方が崩れると、もう片方がしっかりカバーしている。時には代わりに盾になったり、牽制をして攻撃させないようにしている。おかげで攻めきれない。
もちろん他のゴーレムたちを動員すれば楽に倒せるだろうが、できればこの連携を崩して倒せるようになって欲しい。そう思いつつ見ていくが、結局最後はコモンアント?の耐久切れで倒れた。
攻撃はコモンアントとそう変わらないと思うが、防御がやっかいになっているな。そこまで劇的に厄介というわけではないが他と組まれたら厄介かもしれない。
「まあ戦う機会はこれからたくさんあるから、頑張ってもらおう」
アイテムボックスで回収した甲殻を鑑定するとコモンポーンアントの甲殻という名前だった。ポーンだから兵士じゃなくて歩兵か。となるとこの先ナイトとかルークも出てきたりするのかな? まあ出てきたら考えるが、あの連携に加わると考えると面倒だな。
とりあえずしばらく三階層を集団で行動したところ、ここも二体のコモンポーンアントの組み合わせしか出てこないことが分かった。これならばらけても問題ないな。一先ず二体三組にゴーレムを分けさせる。そこにアイテムボックス持ちをそれぞれ同行させる。これも情報処理系のスキルが大幅に向上したおかげだ。
「さてこれでしばらくは様子見だな」
そうして視界共有を使って操ってるゴーレムの視界を通じて、それぞれのゴーレムたちの様子を見る。見ているとやっぱりアインが一番動きがいいな。一番最初に作ったからか、それとも名前を与えてるのが原因か知らないが動きが他のゴーレムに比べてよく見える。
しばらく戦ってるうちにコモンポーンアントの動きを学習したのか、牽制を学んだりしている。おかげでアインがいる班が一番スムーズに進んでいる。
「学習した内容を共有しているはずだから基本同じはずなんだが、こうも違いが出るのか」
おかげで地図が埋まるのが早い……というわけではない。途中途中で採掘を挟んでいるから、結局進んだ分採掘も多くなるためあまり変わりないだろう。それにしてもやっぱり深い階層のほうが採掘ポイントが多いな。おかげで鉄がざっくざくだ。
「これでまた精錬された鉄が増えるな」
今は施設の換装に使っているが、できればゴーレムたちの素体にも使いたい。劇的には変わらないが、それでも運動性能が上がるから変えたい。まあこの分だと来週には変えることができるかもしれないな。
そう考えていると他のゴーレムたちの班もコモンポーンアントに対処できるようになってきた。これならゴーレムを増員してもいいな。まだまだ鉄は欲しいから、明日からも頑張ってもらうか。
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