第17話
「今日は施設の方を重点的に見ていくか」
コモンドックダンジョンの三階層に進出して少し経つ。あれから少しずつゴーレムたちの技量は向上している。それこそ俺が操ったゴーレムでは負けるほどだ。
負けるのはわかっていたがなんとなく負けっぱなしは嫌なので、少しずつ練習しているがあまり成果は感じない。
そんなわけでリフレッシュもかねて農場などの施設を重点的に見ていこうと思う。自動学習持ちのゴーレムを施設の方に回せるほど増えてきたし。
「まずは農場の方を見ていくか」
農場の方に視界共有を使う。どうやらゴーレム施設だからか、見たいと思った施設にも視界共有を使って見ることができるのがわかった。ここでは魔石を使うことでいろいろな改良を加えることができる。
「確か今は、人工照明で光合成を行えるようにしたんだっけ。後は気温を一定に保つのもか」
最初は野菜を育てようとしたんだが、これがうまくいかなかった。どうやら農場と言ってもなんでも育てることはできないようだった。この農場は天井を覆ってるから太陽の光が入ってこない。だがランク0の植物なら対応するスキルがなくても、育てることはできるはずだった。
だがまったく育つ気配がなかった。試しに植えてみた薬草や毒草は途中まで育った。そのため最初は薬草とかの特殊な植物しか育てれないと勘違いした程だ。
「まあ改良で太陽光を再現する人工照明を見つけたおかげで、間違いに気づけたが」
今ではちょっとずつではあるが育ってきて、もう少ししたら食べることができるかもしれない。魔力の影響か育つスピードが速いんだよな。
それともランク0のおかげかもしれない。これがランク1だと栽培系スキルを取得しないといけないはずだ。だがそれよりグレードの低いから植物の生育スピードが速まってるのかもしれない。
「それで区画ごとに適温に気温を保ってみたりもしている」
このおかげでさらに成長速度が上がった。できればそのうち果樹園とかもやってみたいな。今はそこらで売ってた種から育ててるけど、できればリンゴとかを食べたい。野菜は少し苦手だからな。
「これからは空間拡張や促成栽培向上とかの改良をしたいけど、魔石がたくさん必要で手が出せないんだよな」
まあこれらはそのうちの楽しみだ。そしてここではゴーレム一体に管理を任せている。といっても雑草とかは生えないから、主に水やりとかになるけど。それでも普通は重労働だから、助かるな。
「農場はこんなところだな、次の施設を見てみるか」
次は魔力生産施設と魔力蓄積施設の二種類を見ていくか。まず魔力生産施設は水産施設と同じ感じで、魔力を生み出すことができる施設だ。これだけだと魔力生産施設周辺でちょっとMPを使うスキルが使いやすいだけだが、魔力蓄積施設があると違う。
魔力蓄積施設は名前通り魔力を蓄積できる。蓄積できる量は使った魔石の数×1000貯めることができる。もしかしたら魔石のランクが上がればもっと蓄積できる量が増えるかもしれない。
それでこの施設は何に使うかというと、魔力系の施設の燃料になるのだ。例えば魔石生産施設には魔物素材を使っていたが、それを魔力生産施設と魔力蓄積施設で賄うことができる。
「まあ魔力生産施設が生み出せる魔力が少なくて、今は効果がないけど……」
魔力生産施設一個で、魔力蓄積施設に溜まるのは一日に一ポイントだ。だからたくさん設置しないといけないが、この魔力生産施設を作るにも魔石が十個必要だ。
それでもそのうちこれらを使って、防衛施設の維持や燃料に使うことになることは間違いない。その分魔石を湯水のように使うことになるけど。
他にもゴーレムたちがMPを使うことがあった場合、それらの肩代わりができると思っている。今はそういった武器を作ってないが、そのうち魔力を使う武器を作ろうと思っている。
「まあそんな感じで重要になると思う施設だな」
今は魔石が一日で平均七個獲得できるからそれらでゴーレムの増加に三個、施設の改良に四個使っている。できればもう少し増やしたいけど、新たなダンジョンを見つけないと無理だな。
「それぞれのダンジョンが深い階層に潜れるようになったから、取れる魔石が少し増えたがそれでもまだまだ足りない」
魔石生産施設も使っての七個だからな。三階層のコモンジャイアントドックの素材でもあまり効率は変わらなかったからな。ランクが違えば変わったんだろうが、同じランクだと特に変わりはないらしい。
「次の施設を見てみるか」
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