第14話
武器の本やプラモデルに付いている武器の模型を分析することで、武器の性能の向上を図る。こういうのは先人たちの知恵とか、詳しく作ってる模型のおかげで少しずつ進んでいく。
毎日トライアンドエラーを繰り返しながら、過ごすこと一週間。コモンドックダンジョンで新しいものを見つけたと、ツヴァイから報告が来た。
「次の階層への入り口か?」
ダンジョンへの入り口と同じようなのが、ダンジョンの中にある。ダンジョンコアが見つからないと思っていたら、二階層があるらしい。となると三階層、四階層もあるかもしれない。
二階層に行ってもらうが、まずは固まって行動するように伝えて様子を見る。出てきた魔物は一階層と同じコモンドックに見えるが、その能力は少し違いが見られた。
まず突っ込んでくるだけだったコモンドックが、攻撃を躱す素振りを見せるようになった。その時はツヴァイが構わず攻撃して当たったから本当に躱すようになったのかわからなかった。だがこの後何回も戦ううちに、たしかに躱そうとしてるのがわかった。
「二階層では知能の向上か?」
もしかしたら他にも能力が上がってるかもしれないが、よくわからなかった。なにせツヴァイたちは攻撃を喰らわないようにして立ちまわってるから、もし攻撃能力が上がっててもわからないからだ。だからといって無駄に攻撃に当たるのもどうかと思うので、特に指示は出さなかった。
素材も回収してみたが特に変わった鑑定結果ではなかった。二階層でも素材としては一階層と同じなのかと疑問に思った。
「もしかしたら物質詳細鑑定ならわかるかもしれないな」
今の物質鑑定の上位互換だと思われる物質詳細鑑定なら何かわかるかもしれないが、冷静になるとそこまで気にする必要はなさそうだと思った。詳しくわかってもそこまで有効に使えないというのもある。
「他人との取引でどの階層の素材かわかればいいのかもしれないが、取引する予定はないしな」
というか他の人がダンジョンに潜ってるかもわからない。さすがに全滅してるってことはないだろうが、それでも他人を当てにするのはやめておこう。
「しかし二階層があるとなると、コモンアントダンジョンにも二階層があるのか」
二階層でも鉄が採れるなら、そっちにもゴーレムを回した方がいいけど。コモンアントが強いからあいつをどうにかしないといけないな。
「武器とかゴーレム自身を変えてみるか?」
武器はハンマーとかの重量武器に変えてみたり、ゴーレムを大きくしてみたりとかも良さそうか? 剣でもなんとかなってたからそのままにしてたが、本格的な探索をするなら対策武器にしたほうがいいだろうし。
「もしかしたら武器に魔石を取り付けたらなんとかなるかもしれないが、一個だけあったとしてもな……」
まあ今考えることではないな。これからは武器を使いやすいように調整しつつ、もっとゴーレムを増やしていかないといけない。
「拠点防衛用に回せるだけのゴーレムが欲しいな」
もしコモンドックがダンジョンから出てきたときみたく、他のダンジョンからも魔物が出てきていたら防衛するにはゴーレムが足りなさすぎる。だからといって焦ってもしかたない。できることをやっていくしかないからな。
「とりあえずはコモンドックダンジョンの探索を優先するか。その次はコモンアントダンジョンで鉄を採掘。最後に施設の拡張かな」
魔石も欲しいし鉄資源も欲しい。そしてそれらを使った施設を作って拠点を充実させて、さらなるダンジョン探索をできるようにしないといけない。
「もしゴーレム使いの適正がなかったら、今よりも大変だっただろうな」
これから先を考えて、ゴーレム使いが選択肢にあってよかったと思う。ゴーレム使いのおかげでこうして一人でも生きていける。もし他のジョブだったらこうはいかなかっただろう。
「さてそれじゃあまずは、いろいろな武器を作ってみるか」
剣だけじゃなく槍やハンマーを中心に作っていく。作り慣れてきたら鎌やレイピアなんかも作ってみようかな。そうやって様々なものを作って精度を上げていこう。
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