第13話

「まずはゴーレム修理施設を製造してっと」


 アインたちをコモンアントダンジョンに鉄を採ってもらうために、アイテムボックスゴーレムと一緒に送り出してから施設を作っていく。まずはゴーレム修理施設を作る。

 ゴーレム修理施設はその名の通りゴーレムを修理する施設だ。素材はそれほど必要ないが、別に修理するための素材が必要になる。まあ保管庫がついてるからそこに入れて置けば、あとはゴーレムたちが自分で修理できる。


 そして次に作るのは魔石生産施設だ。これには作りたいランクの魔石と、同じランクの素材と魔石10個が必要になる。一応これだけでも稼働はするが、最短で2週間に1個の生産となる。


「元を取るなら5か月必要になる。もちろんこの時間を短縮する方法もある」


 作った魔石生産施設のランクと同じランクの魔物素材をたくさん消費することで、瞬時に生産することができる。


「例えばこの余ってるコモンドックの毛皮を、魔石生産施設の投入口に入れる。すると魔石が生産されるけど、どのくらい入れればいいんだ?」


 とりあえず1個ずつ入れていって、100個目で魔石が1個生産された。どうやら素材100=魔石1の比率のようだ。


「それじゃあ余ってるコモンドックの肉とかコモンアントのギ酸で魔石を作るか」


 そうして余ってる素材を大量に投入した結果、8個の魔石が生産された。今のところはマイナスだが、すぐにプラスになるだろう。


「じゃあこの魔石を使って、自動学習持ちのゴーレムとアイテムボックス持ちのゴーレムを増やすか」


 アイテムボックスからあらかじめ作ってあるゴーレムを取り出して、魔石を取り付けていく。自動学習持ちを6体、アイテムボックス持ちを2体に分けて作る。


「それじゃあお前の名前はツヴァイだ」


 そのうち1体のゴーレムを少し豪華にして、名前を付ける。こいつらにはコモンドックダンジョンの方に行ってもらうから、わかりやすいようにグループごとに名前を付けていくことにする。

 そうして武器を持たせてアイテムボックス持ちのゴーレムを1体と一緒に送り出した。魔石生産施設も作ったことだし、素材はいくらあってもいいからな。


「さて残ったアイテムボックスゴーレムを操って回収していかないとな」


 今俺に足りないと思うのは知識だ。人型ゴーレムを丁寧に作ればそれだけ性能が上がるのがわかっている。それなら動物や昆虫なども丁寧に作れば性能が上がるはずだ。

 だけど動物の骨格や昆虫の構造を俺は知らない。人型ならフィギュアとかでわかるけど、それ以外は作ったことないからわからない。だからそういった本や模型が欲しい。


「そのためにアイテムボックスゴーレムで探索して、仕舞えるように作ったわけだし」


 それ以外にも武器の本や見本、船や飛行機の乗り物の模型なんかも欲しい。武器もうまく作れば性能が上がりそうだし、そうじゃなくても弓について詳しい知識が必要だ。


「一度作ってみたはいいけど、ほとんど飛ばないし威力も低かったからな」


 前の世界では銃が強かったが、魔物に通用するかわからない。まあ通用しても火薬とか継続的に生産できないんじゃないか? それならゴーレムが使う弓の方が強そうだし生産も楽だと思う。


「まあそれでも試しに銃が使えないか調べるが」


 といっても今すぐはできないから、未来の話だな。そんなわけで本を中心に回収していくが、ほかにも役に立ちそうなのを回収していくつもりだ。


「まずは図書館か? 他にありそうなのと言えば博物館、学校、美術館? まああちこち探せばいいか」


 もしかしたら何か掘り出し物があるかもしれないしな。そうしてアイテムボックスゴーレムとノーマルゴーレム2体を出撃させた。手伝いなら2体あれば十分だろう。

 とりあえず図書館をまずは目指す。まあ到着したらなんでもいいから回収していく。パソコンとかもあるが、電気が通ってないから使えない。もちろんそういった発電できるゴーレム施設を作れば使えるが、作る必要があんまり感じない。


「使えてもネットが使えるわけじゃないしな」


 あの幅広い知識を一瞬で探して、知ることができるのはすごく便利だったと痛感している。まあだからと言ってどうにもできないが。

 そんな感じで次々と周って行って、本などを回収していった。これで少しはいいものが作れるようになるといいけど。


「本読みながら、プラモデルとか分析してみるか」


 本はゴーレムを通して複数読みながら、プラモデルの通りに作って実際に使えるかの実験をするか。もしかしたらロボットを作れるようになるかもしれないから、やる気が出るな。

 といってもまずは使っても問題ない土とかで作ってみるけど。そうしてから鉄とかで作ってみようかな。まあ気長にやるか。

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