第10話
コモンドックダンジョンを見張らせていたゴーレム偵察型と視界共有をすると、そこにはコモンドックがいた。ダンジョンの外に魔物が出ていたのだ。
「!? すぐにコモンアントダンジョンを確認しないと!」
アインがいるコモンアントダンジョンを確認するが、そっちでは異常は確認できなかった。いつも通りのダンジョンだ。
一先ず近くのダンジョンに異常が起きてなくてよかった。視界をコモンドックダンジョンに戻すと大量のコモンドックが遠くの方に見える。多分だが避難所の方か?
「それにしてもなんでダンジョンから魔物が出てきたんだ? 創作だと間引きが足りないとかの場合だけど、他の人間がダンジョンに入ってるのを見たからな」
情報がないから全くわからない。とりあえずゴーレム偵察型にもう一度何かあれば念をするように言うと、犬ゴーレムを出して様子を見に行かせる。犬ゴーレムなら足が速いし最悪捨ててもいい魔石無しだ。
「どうなったか調べないとな」
そうして犬ゴーレムと視界共有をして操って走らせる。ある程度の広い場所かつ避難所になりそうな場所は目星がついている。だがこの場所からは遠いから、時間がかかるな。
そうしてその光景を見た。見てしまった。
「うっヴエエエェェェッ!!!」
あまりのショッキングな光景に嘔吐する。そこには人の手足や血だまり、死体らしきものが転がっている。視界共有を切ることも忘れて見続けて、嘔吐した。
そうしてしばらくして吐くものがなくなったことで、少しずつ落ち着いてきた。もしくは慣れたのだろうか。
ひどい光景が広がっているとは思っていたが、俺なら大丈夫だと何の根拠もなく思ってしまった。その結果がこのざまだと自嘲の笑みを浮かべる。
「ってそうじゃないだろ……」
無理くり活を入れて犬ゴーレムを操る。自嘲してる暇があるならどうなったのか見ないといけない。そのために見に来たのだから。
そうして少しずつ進んでいると、なにやらコモンドックが集まってるのを見つけた。どうやらバリケードを通れないようだ。しかしあれがいつまでもつか。
そう思っていると一部のバリケードが壊れたのか、コモンドックが入っていくのが見える。
「もう見る必要はないか……」
もしくはそう思いたいだけかもしれないが、犬ゴーレムを帰還させる。帰り道は予想より遅くはなったが、問題なく帰ることができた。
「まずは片付けをしないとな……」
周りが嘔吐まみれだから、まずはその掃除。その後にはシャワーを浴びたりするか。
そうしてノロノロとだが動き出した。結局その日は何も手に着かず、寝ることになった。
一晩寝たおかげか、意外と心は落ち着いていた。とりあえず結局昨日はコモンアントダンジョンのほうでは何もなかった。ダンジョンごとに違いがあるのか、実はコモンドックダンジョンで人を見かけた以降、人は入らず間引きをしなかったのか。どれが正しいかわからない。
「でもどうあれ警戒しておかないとな」
少なくとも防衛設備は整えておかないといけない。まさかあれしか魔物が出てこないわけじゃないだろうし。出来れば魔石が欲しいな。コモンアントは強くてコモンドックよりは倒せてないし。
「そう考えるとゴーレムをコモンドックの方に派遣するのもありだな」
そうして魔石を集めるものいいか。今の魔石入りゴーレムは6体。内自動学習は5体、アイテムボックス1体だ。だがアイテムボックス持ちゴーレムは自分で操らないといけないから外して考える。
「それとも俺自身が操って、倒していくか? その場合は情報系スキルのレベルを上げれば複数体操れそうだし」
こっちのほうがいいか? 俺がアインたちの代わりをやるのは途中で飽きたりしそうだしな。それにアインたちの方には鉄の回収ボックスがあるが、派遣するとなると結局アイテムボックス持ちを操って行かないと素材があふれそうだよな。
「俺が操るか。そうと決まればレベルを上げてっと」
レベル14
HP 1400/1400
MP 1400/1400
スキル ポイント3
ゴーレム製造lv1
ゴーレム施設製造lv1
武器製造lv1
ゴーレム使役lv1
使役距離延長lv1
使役数増加lv1
アイテムボックスlv1
並行処理lv3
情報処理lv3
視界共有
物質鑑定
スキル詳細鑑定
一気に3まで上げてみた。アイテムボックスからあらかじめ作っておいた人型ゴーレムを取り出して、一体ずつ視界共有をしながら操っていく。
そうして7体目できつく感じたから、6体までにする。これくらいなら長時間操れそうだ。そうしてアイテムボックスゴーレムも併せてコモンドックダンジョンに向かうことにした。武装は剣と盾、両方ランク1の鉄製だ。
「んっ? このタイミングで念が来たな」
視界共有をするとコモンドックがダンジョンから出てくるところだった。もしかして毎日出てくるのか? しばらく見てるが今回はどこかに向かっていく様子はない。もしかして人が近くにいないからだろうか? でも少しづつばらけてるな。
「よし、じゃあ行くか!」
まあ行くと言っても俺はここで操るだけだが。
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