第9話

 そうして資材集めをしたり、その過程で拠点場所を家から最寄りの広い駐車場に移したり、新しいダンジョンを発見したりした。まず一つずつ振り返ってみよう。

 資材集めだがこれはかなり捗った。というのもアインたちの移動速度がかなり速く、今までは俺に合わせていたがそれがなくなったから、随分と遠くの場所まで集めることができた。その分使役可能距離には気を付ける必要があったが。


 そのおかげというかせいというか、だいぶアイテムボックスが埋まってきた。そのため施設を作ろうとしたのだが、その施設が基本的に大きくてこの家には収まらなかったのだ。

 だからどこかしら広い場所に拠点を移すことにしようと探していた。そういえば広い駐車場があったのを思い出したので見に行ったら、世界が変わった時間帯もあって車がなくて広々としている。


「ここにするか」


 そう決めていろいろと大きな施設を建てまくった。まずは屋根とか壁になるゴーレム砦を作った。このゴーレム砦にはバリスタとかの防衛装置も設置することができる。まあ武器製造で作って設置しないといけないが。他にも内部のゴーレム施設を連結する機能があるようだ。

 次に前に言っていた水を作る水産施設を作った。一日でだいたい1000リットルの水が作れるようだ。ゴーレム砦内部に作ったので、各所に水を送れるようになった。例えばこの水をシャワーや農園とかにも使える。

 そして最後に作ったのは農園だ。これで農作物を育てることができるようになった。これも魔力を使ってどんな農作物でも時期に関係なく育てることができるようだ。


「あとはこまごまとした居住施設だな」


 まだまだスペースは余っているが、資材のほうが尽きたのでこのくらいだ。

 それで最後の新しいダンジョンだが、これが一番欲しいのが手に入るダンジョンだった。そう、鉄だ!

 このダンジョンは炭鉱を模しておるのか、岩肌の洞窟になっていた。出てくるのはコモンアントで、1メートルくらいありそうな大きな蟻だ。手に入った素材は甲殻、ギ酸、節足、複眼、魔石が確認できている。


「まあそんなことはどうでもいい」


 炭鉱を模していると判断したのは、ここではよく鉄が掘れるのだ。洞窟を探索していた時に、壁が光っている場所があったから掘らせてみたら鉄が採れた。それからも何か所も光っている場所があって、そのたびに鉄が採れたのだ。しかも時間が経てばまた採掘できるし。

 そこを発見してからはゴーレムを周らせて、かなりの鉄を確保できた。その分をゴーレム製造に使ったが。


「コモンアントがコモンドックに比べて強いんだよな」


 アインが攻撃を喰らったときなんか、胴体に罅が入ってたからな。壊れる寸前って感じだ。それ以外にも甲殻が硬く、なんども剣をぶつけなければいけなかった。その分足は遅かったけど、洞窟の中だと関係ないしな。

 ランク1の土でも5発程度喰らったら壊れそうになったが、鉄にしたら同程度喰らっても凹む程度で済んだ。やっぱり素材の差はあるのか。


「そんなわけでランク1の鉄製ゴーレムが50体くらいできた」


 他にもゴーレム砦をランク1の鉄に換装したりした。それと遠隔操作だが、ダンジョンの中にも有効だった。おかげでほとんど外に出ていない。まあ苦じゃないからいいけど。

 ちなみにコモンドックダンジョンでは人を見かけたが、コモンアントダンジョンでは人を見かけなかった。どうやらコモンドックダンジョンの方が避難所が近いようだ。だから基本的にコモンアントダンジョンにゴーレムを常時入れてる。


 そうこうしてると世界が変わってから7日目を迎えた。今のステータスがこれだ。


荒谷あらや形徒けいと 男性 ゴーレム使い Aランク

レベル14

HP 1400/1400

MP 1400/1400

スキル ポイント7

ゴーレム製造lv1

ゴーレム施設製造lv1

武器製造lv1

ゴーレム使役lv1

使役距離延長lv1

使役数増加lv1

アイテムボックスlv1

並行処理lv1

情報処理lv1

視界共有

物質鑑定

スキル詳細鑑定


 とりあえずポイントは温存している。それに昨日はレベルが上がらなかったから、今の場所じゃあレベルを上げるのはしんどい。

 そうして確認しているとコモンドックダンジョンを見張らせていたゴーレム偵察型から念が送られてきた。どうやら自動学習持ちだと話すことはできないが何かしらの念を送ることはできるようだ。


 一先ず視界共有をするとそこには衝撃的な光景が映っていた。

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