第8話

「めっちゃ土砂降りだな」


 寝て起きたら、外は土砂降りの雨が降っていた。外に出ることを躊躇しそうになるほどの雨だ。


「まあとりあえずゴーレムを作るか」


 作るゴーレムは土系で行こうと思う。理由としては人狼の方がイメージしにくいからというしょうもない理由からだ。なにかしら参考文献があればいいんだけど。


「それじゃあパパッと二体のゴーレムと武器を作っていくか」


 魔石に付与するのは自動学習とスキル付与にするか。付与するスキルはアイテムボックスにしてと。


「とりあえずできたけど、ここにアインも出すと手狭になるな」


 一軒家のリビングにいるけど家具があって邪魔だな。アイテムボックスに仕舞うか。そうしてからアインを取り出して紹介する。


「アインこっちが自動学習の土ゴーレムで、こっちがアイテムボックス持ちの土ゴーレムだ。でこっちがアイン、とりあえず土ゴーレムはアインに従ってくれ」


 そう伝えるとアインは自動学習の土ゴーレムに触れて何かをしている。とりあえず見守ってると少ししてアインは離れた。


「何してたんだアイン?」


 聞くとボディランゲージで何かを伝えようとしてるが、よくわからない。だからスマホを出して文字で表現できないか、やってみたところできた。


「できちゃったよ」

『大丈夫ですか、主』


 もっと前に気づけば、やりとりができたのにと思って落ち込んでると慰められた。とりあえず気を取り直して聞くと、どうやら情報の共有をしていたようだ。コモンドックの情報から剣の振り方など、いろいろなことを共有したらしい。あの短時間で。

 他にもいろいろと聞いてみると、どうやら初期知識として俺の知識を参照してるらしい。だからスマホを使えたのか。それ以外にもアニメから剣の振り方を学んだりとかもしたらしい。


「というかそれって俺が覚えてないのもわかったりするのか?」


 そう聞くと、一部だけの答えが返ってきた。流石に生まれたてとかのかなり前のは知らないが、1週間前くらいならわかるらしい。

 とこんな感じでいろいろ知ることができた。そこで思い切って何か俺が気づいてないことはないか聞いてみた。


『私たちのこと鑑定しましたか?』

「あ、してない」


 そういえばアインたちのことを鑑定してなかった。急いで物質鑑定してみる。


アイン ゴーレム ランク0

身体能力100%上昇

思考能力100%上昇

スキル

自動学習

Aランクのゴーレム使いが丁寧に作った人型ゴーレム。その能力は飛躍的に向上している。材質は鉄。


ゴーレム ランク1

身体能力100%上昇

思考能力100%上昇

スキル

自動学習

Aランクのゴーレム使いが丁寧に作った人型ゴーレム。その能力は飛躍的に向上している。材質は土。アインの配下。


ゴーレム ランク1

身体能力100%上昇

スキル

アイテムボックス(共通)

Aランクのゴーレム使いが丁寧に作った人型ゴーレム。その能力は飛躍的に向上している。材質は土。


 なんかすごいことになってる。とりあえず俺が丁寧に作ったから能力が格段に上がってて、自動学習を付けてるから思考能力も上がってる。それにアイテムボックス(共通)ってことはもしかして、俺のアイテムボックスと共通ってことか?


「やっぱり同じ亜空間を使ってるから、共通ってことか?」


 でもこれでアイテムボックス持ちを増やすのは意味ないのか。そういえば犬ゴーレムはどうなんだろう?


ゴーレム ランク1

Aランクのゴーレム使いがコモンドックを模して作った犬型ゴーレム。その能力はコモンドックと同等。材質はコモンドックの素材。


 見てみたが能力上昇系が無い。説明文もコモンドックと同等とあるから、変わってないのか。まあたしかにアインたちと違って犬の構造とかわからないから、適当にコモンドックに似せて作ったからな。


「こうなると動物の解剖図とかの本が欲しくなるな」


 そうすれば性能が飛躍的に向上させることができるだろうし。


「そういえばアイン、自動学習の土ゴーレムはアインの配下ってあるけど、どうなんだ?」


 随分と抽象的な質問になったが、正しく理解してくれた。どうやら命令系統を表してるらしく、俺>アイン>土ゴーレム自身の命令を優先するようだ。


「そうなのかじゃあ優先する命令は、命大事にしていこう」


 もし壊れて魔石を失ったりしたら損だからな。そういえば武器も物質鑑定してなかったからしてみるか。


コモンドックの爪剣 ランク1

コモンドックの爪を集めて合体させてできた剣。切れ味は悪く、最低限の切れ味となっている。


 切れ味は悪いらしい。まあしょうがないか。


「それじゃあ資材の回収に行くか」


 俺は視界共有使って遠隔の指示に徹しよう。

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