第11話
人型ゴーレムが道路を駆けていく。コモンドックダンジョンの近くまで急いできたが、ここからは戦闘がありそうだから慎重に行動させよう。
そうして歩いて進ませると、すぐさま2体のコモンドックが現れて襲い掛かってきた。
「この程度なら問題ないな」
でもやりたいことがあるから、1体の人型ゴーレムを前に出す。前に戦っときでも普通に倒せたし、今回は盾も持っている。何よりこちらには6体の人型ゴーレムがいるから、全員動かして戦えば楽に倒せるだろう。
でもこの後もそんな簡単にはいかないだろう。なんせあっちの方が数が多いから。だから今のうちに相手の数が多い時の戦い方を模索しないと。
そうして戦いが始まった。相変わらずコモンドックは真っすぐに突進してくるが、今回は2体の距離はそこまで開いていない。だから同時攻撃みたいに襲い掛かってきた。
だからまずは盾を使って薙ぎ払うように吹き飛ばす。人型ゴーレムの身体能力もあって、あっさりと吹き飛ばすことに成功した。なんだったらちょっとダメージが入ってそうな音がした。しかしコモンドックはまた元気よく突っ込んでくる。
「そういえば魔物にもHPってあるのか?」
今までは特に気にしたことはなかった。なんせコモンドックはアインが完封して、コモンアントは見るからに堅そうだったからそんなものだと思ってた。
このまま盾で吹き飛ばす、というより殴り飛ばせばわかるか? そんなことを考えるが、それなら1体だけ残せばいいなと気づいてさっさと倒すことにした。
盾で吹き飛ばした直後に、片方に駆け寄って剣で切りつけて倒す。というか吹っ飛んで落ちた直後に追いついたな。まさかここまで身体能力が高いとは思わなかった。
「というかよく制御出来てるよな」
これも情報系スキルのおかげか? 久しぶりの実戦でいろいろと疑問が出てくるな。まああとでゆっくり考えるか。
そうして残ったコモンドックを盾で殴る、殴る、殴る。そうして殴り続けてると、何回目かでコモンドックは倒れた。
「直前まで普通に突っ込んできてたから、やっぱりHPはあるっぽいな」
まあわかったところでコモンドック相手には、弱くてあんまり関係ないかもしれないが。とりあえずドロップアイテムをアイテムボックスに仕舞ってと。
こうして散発的に現れるコモンドックを倒しつつダンジョンに近づいて行った。どうやら犬のくせに目視で敵を見つけてるようで、曲がり角でばったり出くわしたりもした。
「じゃあ大群がいるところをそっと覗いてみるか」
ダンジョン周辺は意外と広く障害物がないので、そこを覗ける場所に行ってみる。そうしてダンジョン周辺を見てみると、50は超えてそうなコモンドックの大群がいた。
「意外と残っているのか、それとも散った方なのかわからないな」
まあどちらにせよ倒さないといけないからいっか。少数が拠点に襲ってきてもなんとかなるし。
これから戦うが背後は取られないように気を付けないと。前に3体並んでその後ろに2体、さらに後ろにアイテムボックスゴーレム1体にするか。こうすれば後ろから襲われることは防げるか?
「わからないけどやってみるしかないか」
これだったら槍でも作っておけばよかったな。まあないものねだりしても仕方ないか。
「よし、いくぞ!」
活を入れるために叫ぶ。そうしてゴーレムを進ませると、一斉にコモンドックがこっちを向いた。
「ぎゃっ! 怖すぎる!」
思わず悲鳴が出たが、操るゴーレムに乱れはなく前進させる。驚いてる自分と冷静な自分がいる感じだ。
たくさんのコモンドックが駆け寄ってくるが、これだけで恐怖映像だろう。なんせ目が血走ってる犬がたくさん駆け寄ってくるのだから。
とりあえず盾で弾き飛ばそうかと思ったが、これだけ一斉にくると難しそうだ。だから盾を並べてこちらも突進することにした。
ゴーレムだから盾の間に隙間が出ないようにしつつ、突進することは簡単だった。そうしてコモンドックを弾きつつ後ろのゴーレムで剣で斬れるなら、斬ることも忘れない。
「見た感じ倒せてるのはいなさそうだな」
ダンジョンの入り口前にきたがそこで反転する。ダンジョン側からは魔物が襲い掛かってこないから背後の心配をする必要はない。場合によってはダンジョンの方に逃げることもできる。
「前衛を4体にして残り2体のゴーレムに間から攻撃してもらうか? それとも全員前に出すか?」
前衛4体だと半円で守るには足りないか。じゃあ全員前に出すか、これなら半円になって横から襲い掛かってくることはないだろう。前から襲い掛かってくるだけなら十分対処できるし。これでいこう。
瞬時にそう判断して、半円を組む。こうして前方のコモンドックだけに集中して倒していく。最後の方には流れ作業のように倒すことができるようになっていた。
「よし、これでダンジョン周辺のコモンドックは倒すことができたな」
それじゃあダンジョンに入って中がどうなってるか確認してみるか。
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