第5話
「まずは武器製造からやるか」
ゴーレム製造に素材全部使ったりしたら、武器に回せなくなるからな。とりあえず使えそうなのはコモンドックの牙と爪かな。
「牙だと槍に、爪だと短剣とかになるか?」
そうなると主武器は槍になりそうだ。なら爪で短剣を先に作ろうと思って武器製造をやるが、ここで思ってもみないことがわかった。
「爪の大きさ的に短剣が精々だと思ったけど、剣も作れるとか……」
試しに鎧騎士ゴーレムの剣と同じのを爪で作れないかとやってみたら、作れてしまった。その分複数の爪を要求されたが、見た目も同じのができた。それに刃も意識することで、付けることができたと思う。
でもそうだよな。コモンドックの毛皮も複数使って防具作りそうだし、そこまでおかしくないのか……?
「まあ作れるなら作れるでいっか」
というかもしかして製造系のスキルは、意外と自由性が高いのか? とここで閃いた。まずは武器製造でコモンドックの爪を鋭利にしたものを作る。
「形状は同じ感じで爪だけ鋭利にしたものを」
そして次にゴーレム製造を使って四足歩行の犬ゴーレムを作る。まあこのまま作るとコモンドックそっくりになりそうだから、一手間加える。
「口を用意して牙を付けて、素材に毛皮と土を使うか」
中をランク1土にして外側を毛皮で覆う。それで噛みつくために牙を取り付ける。さらに体をなけなしのランク1鉄を使って覆って、ロボットぽい見た目にする。
「そして最後に鋭利な爪を取り付けて完成だ」
こうして犬ゴーレムができた。まあ性能はコモンドックとあまり変わらないかもしれないが、実験目的が大きいからこれでいいだろう。
「やったのは武器の取り付けとメッキができるかだけど、両方できたな」
武器の取り付けは、まあそのまんまだ。例えばゴーレムの腕を剣に変えたりできたら面白いかと思った。
それでメッキだが、色だけ変えたいときとかに使えるかと思った。実際犬ゴーレムは見た目は鉄っぽいが、ちゃんと触ると柔らかい。
「これでいろいろとバリエーションが増えるな」
まあ試したいことは試せたから一先ずは終わりでもいいけど、実は犬ゴーレムに魔石を使うことができたからそっちについて調べたいと思う。
「とりあえず鎧騎士ゴーレムに使ってみるか? 希少な素材だから、使うなら鎧騎士ゴーレムに使いたいし」
どうせ使ってみないとわからないしな。そんなわけで鎧騎士ゴーレムに使ってみることにした。とりあえず胸の部分に埋め込んでみる、すると効果を設定してくださいと表示された。
効果? と見てみるとHPやMPを追加するのから、俺が持ってるスキルの付与、自動学習なんかまであった。
「HPを追加すれば修理費用とか減るし、HPがなくならない限り倒れないのは強い。MPは特に今は必要ないよな。スキルも付与したいのは特になし。自動学習かぁ」
自動学習は自動で学習して行動するようになる。例えば薬草を採ってほしいと命令を下せば自分で判断して採ってきてくれるのだろう。
「HPを追加するべきか、自動学習にするべきか」
いやここは自動学習にしよう。学習というからには時間をかけた分だけリターンがくるはずだ。
そんなわけで魔石に付与する効果は自動学習に決めた。
「……見た目は変わらないよな」
魔石を埋め込んだが特に変化はなさそうだ。まあ自動学習だからすぐに変化は起きないだろう。気長にやるか。
「とりあえず今日はもう寝るか」
そしてまた夜からダンジョンに行って素材を集めないと。あ、そうだ。
「鎧騎士ゴーレムじゃあなんかあれだよな、名前を付けるか。まあわかりやすくアインにするか。一番目って意味のアインだ。じゃあ警戒よろしくな」
そうして俺は布団に入って寝たため、アインが静かに首肯したのを見逃した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます