第3話
「これがダンジョンの中か……」
塔の中に入るとそこには草原が広がっていた。遠くを見てみるが薄っすらと壁っぽいのが見える程度には広い。というか夜なのに昼間のように見える。
「とりあえず土を採ってみるか」
予想通りならランク1の土が手に入るはず。アイテムボックスに仕舞った土に物質鑑定をしてみると予想通りだった。
土 ランク1
微量の魔力が含まれている。魔力の通りに少し補正がかかる。
とりあえずゴーレム一体分くらいの土を集める。もちろん鎧騎士ゴーレムを使ってだ。
「じゃあこれ使ってね」
そう言ってゴーレム製造で作ったシャベルを渡す。なんとなく作ろうと思って作ってみたら出来てしまった。まあ鎧騎士ゴーレムの腰に差してある剣を作れた時点で、作れるとわかってもよかったと後で気づいたが。
そうして土をアイテムボックスに入れていると遠くの方からなにかが接近してくるのに気づいた。
「あれは……犬か?」
もしかしたら狼かもしれないが、区別がつかないから犬と呼ぶ。近くにきたことでわかったが眼が血走っていて、見るからに狂暴そうだ。十中八九魔物だろう。
「とりあえず土集めは中止だな」
鎧騎士ゴーレムからシャベルを受け取ってアイテムボックスに仕舞う。そして剣を構えさせるが、いまいち構え方がわからない。まあ適当でいいか。
接近してきた犬に向かって剣を振るわせる。すると避ける素振りも見せずに、頭と剣がぶつかってがきいいいぃぃぃんと甲高い音が鳴った。
「うおっ! マジか!」
犬の方を見るがふらついているだけでそこまでダメージはなさそうだ。というか頭と鉄がぶつかってなる音じゃないだろ。とりあえず鎧騎士ゴーレムに追撃をさせる。狙うはもちろん頭だ。
そうして何回も剣で叩いたところで犬は地に倒れたので攻撃を中止した。
「……倒したんだよな?」
黙って見ていると、犬が粒子になって後には毛皮が残っていた。ドロップ方式か。わざわざ解体しなくていいと喜ぶべきか、素材が少なくなって悲しむべきか。解体できないから前者だな。
「とりあえず物質鑑定しないと」
コモンドックの毛皮 ランク1
一般的な犬の毛皮。微量な魔力が含まれている。
あれが一般的な犬なのかよと突っ込むべきだろうか? まあとりあえず鎧騎士ゴーレムの剣を見てみると、ところどころ凹んでいた。そして気づいたが刃がなかった。これじゃあどうやっても斬れないだろうな。まあそうじゃなくても斬れたかどうかわからないが。
「とりあえずまだまだ使えそうだから、問題なく探索できるな」
一先ず途中でやめた土を集めを再開したが、すぐに集め終わった。これからどうするか。コモンドックを倒して素材を集めたいけど、他にも素材がないか見て回りたいよな。
「ありそうな素材となると薬草とかか?」
物質鑑定があるから見分けることはできるから、それっぽいのを集めてみるか。そうしてこの草原を歩いてみることにした。もちろん出口に光の柱があって遠目からでも確認できるから、適当に歩くことができる。
「たぶん外と同じように明るくなるよな? なら夜明けまで探索するか」
そうと決まれば早速探索を開始した。その結果いろいろな素材が集めることができた。
薬草 ランク1
癒しの魔力が微量に含まれている。食べるだけで効果があるが苦い。
毒草 ランク1
毒の魔力が微量に含まれている。食べるだけで効果があるが苦い。薬草と似通っている。
鉄 ランク1
微量の魔力が含まれている。魔力の通りに少し補正がかかる。
コモンドックの肉 ランク1
一般的な犬の肉。微量な魔力が含まれている。
コモンドックの牙 ランク1
一般的な犬の牙。微量な魔力が含まれている。
コモンドックの爪 ランク1
一般的な犬の爪。微量な魔力が含まれている。
コモンドックの魔石 ランク1
一般的な犬の魔石。ランク相応の魔力が込められている。
6つの素材を見つけることができたが、薬草毒草鉄は少ししか見つけられなかった。薬草と毒草はぽつぽつとしか生えてなくて、群生していない。鉄も石があったので剣で割ってみたら、中に鉄があった。ちなみに石はコモンドックを倒したときのように粒子になって消えた。もしかしたら宝箱だったのかもしれない。
コモンドックからは新たに肉>牙、爪、魔石が手に入った。そして何十匹も倒したからだいたいの傾向はわかってきた。まずコモンドックのドロップアイテムは毛皮>肉>牙>爪>魔石の順に落ちにくい。そのうえ毛皮と牙が複数落ちたときもあった。
そんなわけでコモンドックからのドロップアイテムが多い。まあ薬草は使うときは少ないだろうし、毒草はもっと少ない。鉄は鎧騎士ゴーレムと換装させたいけど足りない。
「しばらくはコモンドックの素材でゴーレム作れないか試してみるか? まあ肉が手に入ることがわかったからしばらくは大丈夫だろう」
とりあえず夜明けだから一旦家に帰ることにした。その時に鎧騎士ゴーレムをアイテムボックスに仕舞えないか試したら仕舞うことができた。これで周りを気にせずに帰れるな。
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