六詩集

鹿

むつうたあつめ

殺し合いまた、愛し合いまた、なにもせぬのが、人の子ら


人間の歪な同族関係を詠ったもの。



月を見上げて、瞳に湛え、煌々と照るは、汝かな


天文学を志す者の瞳の煌めきを詠ったもの。



集い散りては、二度と見えず、一期一会の、尊さよ


現代人の繋がりの薄さと、それのもたらす儚さを詠ったもの。



限りなきこの、そらに漂い、我らを見つめる、者の名は?


この世の真理を探るよう促す問いを詠ったもの。



騒々しきは、雨音なれど、鼻につきしは、人の業


都会の雨が排気ガスなどで臭うことへの嫌悪を詠ったもの。



板とばっかり、睨めっこして、笑みをこぼすや、得如何に


スマホ依存に対する批評を詠ったもの。

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六詩集 鹿 @HerrHirsch

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