第2話 コンニチワ異世界
ハゲ(神)から強制的に送られ、困惑しているのだが更に目の前の光景に困惑している。
一体なぜ、瞼を開けた瞬間に際どい服を着た女がいるのか・・・・・・いや服じゃないだろ。
どう見ても同人誌とかで見るビキニアーマーじゃん。
その隣にいる女は返って肌の露出が少ないが、服の上からでもデカイのが分かる。
何がデカイって?きっと君なら分かるさ!
「魔王様!遂に召喚に成功しましたね!」
デカパイ女がぼよんと乳を揺らしながら、そう言った。
いや君達召喚したんじゃないんですよ。俺っち無理やり連れてこられてんのよ。
つーか、この巨乳女が言うにはビキニアーマー痴女が魔王って事になるのか。
ちょっとさぁ〜よく見たらこれ、ものすんごくぅえっちなやつじゃぁん。
ただのビキニアーマーじゃない・・・・・・マイクロビキニアーマーだ(キリッ)。
しかも身体は引き締まっており、胸も引き締まっている。
ちっぱいばんざぁい!!
「ええ、成功は良いんだけど・・・・・・コイツ私の事失礼な目で見てるわよね?」
「えっ・・・・・・いやいやいやいや!?!?見てないけど?ちょっとえっちでスレンダーでちょい腹筋が浮き出てる身体なんて見てないけど?」
「ガッツリ見てるじゃない!」
仕方ねぇだろ?!第一お前がそんな寒そうな痴女服着てるのが悪いわ!!
「えっーと、一応自己紹介を・・・・・・」
「おほん!そうね、私は第二十六代目の魔王──エリナ・リナ・レナリナよ」
リナリナうっさいわ!どんだけリナ付けんねんお前・・・・・・。
まぁエリナ魔王さんは自信たっぷりに自己紹介をした訳だが、胸を強調するな。何も無いまな板の癖にエロいぞ・・・・・・いいゾもっとやれ。
「私は魔王様の幹部の一人で、黒魔術師のユニと申します」
──ぼよんぼよん・・・・・・。
いや揺れ過ぎ揺れ過ぎ地震起こってるから、貴女の胸部。
ふぅん俺って巨乳に興味なんてないしぃ?チラチラなんて見てないしぃ?
「アンタなんでユニの胸見てんのよ。見るなら私のにしときなさいよ。巨乳なんて見たらバカになるわよ」
「ちょっと!酷いですよ魔王様!」
「え、こっちの胸なら良いんすか?」
と魔王エリナの方を指さすと、彼女は首を縦に振った。
「ええ、この素晴らしい身体なら幾らでも見ていいわよ?で、でも・・・・・・程々にね?」
はい魔王様より言質いただきましたぁ!
これから毎日毎日、魔王たるエリナのちっぱい見てやんよ。
あ〜なんだったらそんな格好してんならさ、もう脱いで良くね?全裸でいいようん。
俺っち胸より下半身に興味あるからデュフフ。
「ちょ、コイツ何考えてんのよ?!顔から滲み出てるわよ変態!」
「おっと失礼・・・・・・紳士なもんでね(キリッ)」
「意味わかんない事言わないで!というか自己紹介しなさいよ。私の魔力で呼んだんだから」
ほぉう?俺はこのちっぱい魔王の魔力とやらで呼び出されたのか・・・・・・つまりちっぱいの力という訳だな。
さて、気を取り直して俺の自己紹介をするか。
この自己紹介とやらで俺の人格が決まると言っても過言じゃないだろう(?)
「俺の名前はトーマだ。黒より黒き力の使い手であり・・・・・・世界最強の戦士!!」
「えっーと取り敢えず次なんだっけ?」
「食料が足りてないので、買い出しですね」
俺の自己紹介を無視して、背を向けながら関係の無い話をしている女二人。
「おい!無視すんな!」
「あ〜ごめんなさいね。正直痛すぎて見てられなかったわ。頭の悪い奴召喚したんじゃないのかって自分を疑ってるのよ今」
うおぉい!この魔王めちゃ失礼な事言うやんけ。酷くね?めっちゃ酷くね?
「分かった分かった悪かったって。俺の名前はトーマ。普通の高校生です」
「最初からそう言えばいいのに」
巨乳の黒魔術師ユニの呟きが聞こえてきた。
「うるせぇ巨乳!モミモミすんぞ!」
「ひっ!これ以上大きくなるのは嫌なんで、やめてください・・・・・・」
「はぁ、場所変えるわよ。いつまでもこの薄暗い所居たくないし、肌に悪いわ」
うん、お前は服を着ろ。肌に悪いとか言うなら服を着てください。
正直言うね?エリナさんの格好見てると勃〇止まらなくなりそうなんだよ。
胸はまだいいんだ。下がね、くい込みすぎてもう・・・・・・はっきり分かんのよ。おぉん。
──────────
俺が召喚されたであろう部屋は地下にあったらしく、階段を登って案内された部屋に入った。
うおっ・・・・・・すげぇ広い。
何畳あるんですか?ってレベルで広かった。
それに大きなベッドや値段的に高そうなソファーなんかも置いてあって、一通りの生活も出来そう。
「今日から、ここがトーマの部屋よ」
「はい?」
「耳垢詰まり過ぎなんじゃないの?こんな至近距離で聞こえないとか・・・・・・もっと近くに行くべきかしら」
確かに至近距離ではある。どれぐらいかと言うと、普通に隣に立っている距離だ。
確かにこれで聞こえないとか、ある意味おかしいよな。
ちげぇーよ!聞こえた上で理解できないから聞き返したんじゃ!
「もっと近くって・・・・・・どれぐらい?」
あえて自分なりにイケボを演じながら聞いてみた。わざとらし過ぎて笑えないキモイよ俺。
「ん?試してみたい?」
クスクスっと口に手をやり、笑いながらそう言う魔王エリナちゃん。
なんだよ・・・・・・普通に女の子みたいな仕草するやんけ。
うん、服を着ていたらなって改めて思うよ。
(これぐらい近づかないと聞こえないのかしら?お・ま・ぬ・け・さ・ん♡)
「おっ、おっふ・・・・・・あっおっおっ」
「急に喘がないでよ!ほんと変態ね!」
は?こぉいつぅ、自分から身を乗り出して俺の耳元で囁いたくせして、そんな事言う?!
どっちが変態か改めて確かめてみるか?!
マイクロビキニアーマー着てるエリナと、耳元で囁かれて勃〇してる俺とどっちが変態か!
・・・・・・・・・・・・あれ?なんかこれ変態を変態で相殺してね?
「おほん、そう言えばユニさんはどこに?」
「なによ。私よりあのデカ乳がいいの?あの子ならお茶を取りに行ったわ」
「そうか・・・・・・」
「悪かったわね!乳無くて!」
と言いながらマイクロビキニアーマーの上に手をやりながら胸を隠すエリナちゃん。
おいやめろ、それすると完全に手で隠れて手ブラしてるみたいになってるから?!
お前まぢ歩く18禁かこの野郎!これ以上股間をイラつかせんな!
「ちょっ、なによそれ?!膨らんでるわよ?!」
あ、バレた勃〇してんのバレた。
バレないように腰を曲げて防いでいたがバレた。うん、言い訳を考えよう。
っと、咄嗟に思いついた俺の究極の言い訳がこちらです。
「なんか虫に刺されて腫れたみたいだ。気にするな、自然治療でなんとかなる」
よし、これで言い逃れ──
「なによ素直に私で勃〇したって言いなさいよ」
出来ませんでした無理です詰みました。
「エリナさんで勃〇しましたすいません」
俺は罪を告白した。もちろん、その後に訪れるは静寂のみ。
おん、気まずスギィ!
そしてこの気まずい空気の中ニコニコと空気を読まず、ボインボインと乳を揺らしながらニコが部屋へと入ってきた。
「お二人共、お茶を用意しま・・・・・・ふぁ?!おぉ、おっおっ、おっ・・・・・・きい、ですね」
何がとは言わないが、ナニが大きいという意味だろう。
そりゃそうさ、俺の唯一の取り柄は股間の大きさだ。
中学の頃に付いたあだ名はぬらりひょん。
夏の水泳の授業前に着替えるが、その時に男共は負けられない戦いをするのだ。
そうまるで、それはカブトムシを使った虫相撲みたくな。
そして俺はパンティから息子を出した瞬間、その名が息子に命名された。
正に俺の股間は百鬼夜行も束ねてしまう程に、凶悪なんだぜ?
はい、すいません今からちょい鎮めるんで待っててください。
息子の暴走を治めてから三人でソファーに座り、ようやく落ち着いて話が出来る空間ができた。
俺には聞きたいことが山ほどあるんだ。
「なぁ、ここって何処なんだ?急に召喚されて分かんないんだよ」
「ここは魔族国の魔王城よ。今日からトーマはここで暮らすの」
「あのぉ〜一つ質問なんでぇすけどぉ、私ぃ〜って仕事しないといけないとか、ありゅましゅ〜?」
「ないわよ、その喋り方次やったら城から追い出すから心に留めておく事ね」
あっ、すいません。俺は無言で頭を下げた。
んいや待てよ、俺ってもしかしてニート生活おくれるのでは?だって働かなくていいってそういう事でしょ。
はい勝ち組確定ありがとうございました!
「ていうかなんで俺を召喚したのさ?」
「魔王幹部が勇者にやられて残り私だけなんです。だから戦力強化にと」
──ぼよんぼよんぷにょん。
「ほ、ほう?なる、ほどぉ」
「あのぉ、話聞いてました?」
勿論聞いてるに決まってるだろ。聞きながら、ちゃんと見てんだよこっちは。
ふむふむ戦力強化ねぇ・・・・・・と言っても俺っち、何も特殊な力とか持ってないしなぁ。
自慢出来るのは股間の大きさだけだしよ。
あれ?なんか涙出てきたんだけど。
「俺って特に凄い力なんて持ってないぞ?」
頼れるのは拳のみである。
実際の所、高校は超が付く程の不良高校に通っていて、これでも二年生で頭をやっていた。
つまりは不良高校で一番強い奴が俺。
だから喧嘩なら何とか俺に任せてちょうだい。
それに俺は常識のある不良なんで、特に馬鹿みたいに喧嘩はしない。
「なんでこれから一緒に一つ屋根の下で住む相手に嘘つくのよ。魔力溢れ出るぐらい強いくせに」
「そうですね。黒魔術師である私も強いなって思います」
「どれぐらい強いか分からないから例えてくれ」
「少なくとも、幹部を名乗れるぐらいには強いわよ」
うーむそうなのか。マイクロビキニアーマー魔王にそう言われるなら、そうなのだろう。
強さについては分かったら、それはそれとして聞きたい事がある。
「つかさ、なんでそんな寒そうな格好なん?つかエロいよ?」
「ちょっ?!アンタ、私の魔王としての正装をバカにするつもり?!」
スぅーーー。正装ってマ?
え、なに、この先ずっとお昼太陽が昇ってる内はマイクロビキニアーマーで過ごすって事?
ま、マズイですよブラ〇トさん(ア〇ロ声)。
心の中でニュータイプを発動させつつ、ユニさんが持ってきたであろうアッツアツの紅茶を手に取り、口に持っていこうとしたところ。
バァァァンと思いっきり扉が開かれた。
「あぁぁぁっつつつぉぉううう!!!!」
「ちょっ、アンタ大丈夫!?」
「はわわわわ!!」
そう、股間へと綺麗にコップから紅茶が零れたのだ。しかも殆どである。
お、俺の息子がぁぁぁぁあ!!
燃えている・・・・・・オティンオティンファイヤーしてる。
いや冷静になってる場合じゃねぇ!!
「うぉい!誰だてめぇコノヤロウ!ノックぐらいしろおぉ・・・・・・ぉ、おぉ?」
扉を思いっきり開けたであろう人物は、それはもう信じられない格好をしていた。
頭は鶏、体は・・・・・・鍛え抜かれた無駄のない筋肉。
上半身は裸で、ズボンにブーツというスタイルだった。
うん、なにこの国って肌晒さないといけない法律とか常識とかあんの?
「た、大変でさぁ!!」
あぁ・・・・・・大変だよ。俺の股間がな!!
どう責任取るんだニワトリ頭!ええ?トサカもぎ取るぞコノヤロウ!
モンスター〇ンターみたく素材にしてやろうか?おぉおん?
「アンタは・・・・・・門番のトリダ!」
「いや名前の癖ぇ?!」
ちょ、お前名前までも・・・・・・ごめんってニワトリってバカにしてごめんて。
そして魔王エリナちゃんよ、俺の股間をタオルでふきふきしてんじゃねぇ!
しかも聞こえてますからね?「ふっー、ふっー」って鼻息荒くしてるの聞こえてますからね!?
「一体どうしたんですか?」
おっぱいもんすたーユニちゃんがトリダに、冷静に聞き出す。
そうだよ一体何があって大変だったのか答えろニワトリ。お前股間に対しての罪重いからな?
「実は・・・・・・勇者が攻め込んできたんでさ!」
「な、なんですって!?!?」
──ギュッ!
いでででででででで!!!!
てめぇスレンダーボディエロエロマイクロビキニアーマー痴女魔王エリナ!股間を掴んで立ち上がるんじゃねぇ!
俺のティンティンは手すりじゃねぇんだよ!
手すりするぐらいなら手〇キしろやバーカバーカ!
「それは大変ね!早速行くわよ!!案内しなさいトリダ!」
「ヘイ!お待ち!」
「ラーメン屋かてめぇは!」
「一大事ですね!幹部として責務を果たします!」
そう言って俺以外の三人はドカドカと走りながら去っていった。
俺は広い部屋で一人きり・・・・・・学ランの股間に紅茶のシミを作りながら立っていた。
もう泣いていい?俺の異世界生活どこ?
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