チクタクチクタク
これは先日起きた事でした
正直今でもあんまり分かっていないし書くのも気が進まないけど日記として残す事にする
私は地元では有名な方の大学に在籍しておりとある准教授に誘われて細菌の研究を行っている
その研究中に起きた出来事である
その日は雨で私は予定していた外での活動を辞めて研究室で余っていた機材の処理をしていました
午後4時を少し過ぎた頃私の師匠である
ダウディー准教授が訪れ作業を行う私の首にまだ冷たい缶を当てる
「やぁ、頑張ってるね助手くん」
「わぁ‼、来てたんですねれください!准教授……」
「あぁ、こちらの作業をすべて終わらせてね、助手くんの様子を見に来たけど、順調そうだね」
「はい、お陰さまで」
「それは良かった、私は執務室に居るから何かあったら来てね」
「はい‼」
ダウディー准教授は私を励まし去っていった
私は尊敬する師匠に褒められたのが嬉しかったのかその後は研究に没頭に気付いた頃には午前0時を超えていたのである
私はやってしまったと思い体をだらんとさせ目を瞑る
そうやって体に溜まった疲れを吐き出していると静かだった室内に一つの音が迷い混む
チク……タク……チク……タク
そう、時計の音である
あの無機質で機械的な音が静かだった脳に流れ込み乱反射する
チク……タク……チク……タク……
私は妙な違和感に襲われていた
私はふと目を開け時計を見る
時計を見ると午前0時から動いていないのだ
秒針も分針も時針も
私は電池が無くなったのかと思い重い体を持ち上げ時計へと歩き出す
そして時計に触れようとすると妙な違和感を感じ振り返るが特に異常は見受けられず時計を外しテーブルに置く
引き出しから電池を取り出し入れ替え
「良し……」
そんな小さな達成感を感じながら時計を戻したが針は動いていない
私は疑問を覚え電池が逆だったのかと思いもう一度手に取ろうとした瞬間
チク……タク……チク……タク
そう無機質な音がまた頭に流れ込んでくる
時計は動いて居ないのに時計の動く音がする不思議な体験に私は恐怖を覚え椅子に戻りスマホを取り出す
しかし充電がないのか電源は付かず
私は途方に暮れた
スマホを充電し頭に流れる音をかき消すためあらゆる事を妄想し充電が貯まるのを待とうとする
しかし人間喉が乾くもの
私も喉が乾き始め何か飲み物を欲する
准教授に貰った飲み物は既に飲みのしており私はこの研究室を出て真っ暗な外へと行く必要があるらしい
私は少し思考を整理し現実逃避を始める
この奇怪な音が延々と頭の駆け巡り恐怖で体が縮んでいるのに外に出て飲み物を買わなければならないと言う現実に私の心は大きなダメージを負っていたのだ
普段はそんな怪奇現象なんて体験したことも無いし信じることも無い
しかしこの様に1度体験してしまえば何もかもが怖くなる
動きたくなくなる程……
しかし行かねばならない
喉が乾くという不快感に魘され朝を待つなんて私的には受け入れ難い事なのだ
私は決心し非常用に蓄えていた31本のライトの一つを持ち出し廊下へと出る
廊下に光は無くライトの小さな明かりを頼りに自販機のある出口へと向かう
その間にも常に音が頭を通過したまに体を通り過ぎる風と共に私を恐怖のどん底へと突き落とす
そしてふと私は思い廊下に備え付けられている時計をライトで照らす
それが間違いだったのだ
ライトはしっかりと時計を照らしわたしも好奇心に従い覗き見る
しかしどの時計も午前0時で止まっており特に研究室と変化はない
私は半分がっかりしたような気持ちとなりさっさと自販機へと行こうとする
しかし鼓動が早くなり
頭に流れる時計の音も早くなる
時計の方にライトを向けると時計は目まぐるしく回りライトの光も弱って来ている
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
私はライトを投げ捨て廊下を疾走する
走って、走って、走り続ける
しかし音と鼓動が比例する様に大きくなり続け私の恐怖を増幅させる
私は走り続けた
体感数分走り続けても出口が見える事はなく同じ景色が目に入る
走ってる内に私は何かに躓き地面に倒れる
すると生暖かい風が私の体を通過し重たい何かが背中に乗る
「……」
私は恐怖の中に芽生える好奇心に負け振り返ろうとした所で意識が途切れている
次に目が覚めた頃には病室に居り
お見舞いに来てくれた同級生によれば私は出口の前で意識がないまま倒れておりびっくりした事と救急車を呼び運んで貰ったが特に異常はなく何が合ったのかも分からないとの事
教授には少しは休むよう言われ数日は安静で居ることに成りそうだ
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