時計仕掛けのオレンジ 「芥川龍之介の憂鬱」 V.1.1
@MasatoHiraguri
第1話 名誉とは何か
「芥川龍之介の作品を知らない芥川賞作家」芥川賞作家の名誉を毀損、16万5000円の賠償命令 [2024年7月19日] 共同通信
本裁判の勝利によって、台湾の作家のメンツは立ったかもしれないが、ある意味において、芥川龍之介のメンツは丸つぶれだ。
芸術家という神の境地を目指すべき作家が、人間界における権威の象徴である裁判官に自分の存在価値を保証してもらうなんて、こと芥川龍之介という作家にとっては不名誉な話。まるで「ヤクザが警察に身元保証人になってもらう」ようなものだろう。
作家という物書きのプロフェッショナルであれば、彼・彼女の作品で「折伏する=相手をねじ伏せる」のが、これまでの芸術世界における常道であり日本社会における常識ではなかったか。日本における三国人(韓国人・台湾客家)の影響力が強まってきたことを感じます。
人の顔だとかスタイルをとやかく言われれば、「誹謗中傷によって精神的に傷つけられた」ということになるでしょうが、いやしくも、(芥川龍之介自身が自分のことをそう呼んだ)売文稼業の輩が、売り物の文章を批判されたといって、批判者と公開討論といった議論もせず、いきなり裁判官に判定してもらうというのでは、子供のお飯事(ままごと)世界。「あたしの作ったケーキが美味しくない」とお友達から言われたので、美味しいか・美味しくないいか、近所のおばさんに決めて(判定して)もらう、というのと同じです。
この作家の考える名誉とは、世間一般の読者に支持されるという名誉ではなく、裁判官という一人の役人に自分の価値を認めてもらうということらしい。
そして、裁判官が「貴女の作品は素晴らしい」と、法廷で認めてさえくれれば、それが名誉であり、世間一般もそれにならうことで、彼女の名誉は確立される、ということなのだろうか。
あの世で、芥川龍之介は今回の騒動をどう思っているのだろう。
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