第5話 インスタントダンジョン
始まりの森
「見て見てゴブリンの里があったよ!」
「やっと見つけたか。流石に前作とは場所が違うようだな。全部が全部一緒なら、俺らパラディシオスプレイヤーが有利すぎだよな」
インスタントダンジョン
パーティで攻略する様に作られているダンジョンエリアの事を示す。
ーーーーー
インスタントダンジョン[ゴブリンの里山]
入場しますか?
YES/NO
制限:2人以上のパーティ
報酬
・経験値
・ランキングによって報酬が変わる
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「さて、ボスは早いものがちだぞ」
「うん!」
俺はYESのボタンを押した。
そして見てない壁が消えて、ゴブリンの里に入るのだった。ゴブリンの里の中にいるのは100体以上もいる、普通のパーティなら隠れながら数百のゴブリンから遠ざかり、ボスだけを倒す。
それは、俺達の流儀じゃない。
目の前に現れたモンスターは1匹残らず倒す!
「ギィ!」
俺達の存在に気づいたゴブリンの首はすぐに切り飛ばされた。今のステータスなら当たりどころが良ければ全てワンパンで倒せる。
2体、3体、4体、5体、6体、7体と次々とゴブリンの首を吹き飛ばす。
「ボスがいないな...」
ーーーーー
ボスモンスター[ゴブリンキング]が撃破しました
ーーーーー
「は?」
俺は横にいるリンの方へ振り向くが、リンはボスモンスターを倒していない。他のプレイヤーが倒したと考えるが、インスタントダンジョンはプレイヤーが攻略中に、ほかのプレイヤーが入れない。
ーーーーー
Warning!
他のモンスターの乱入により、インスタントダンジョン[ゴブリンの里山]の難易度が上がります。
ーーーーー
「なんだこれ?こんなのあったか!」
ーーーーー
インスタントダンジョンボスモンスターを更新します。ボスモンスター[赤鬼]を撃破して下さい
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「赤鬼?!レベル60のボスモンスターがなんでこのエリアにいるんだ?!」
「鬼か...今回はアリスにあげるよ」
「サンキュー!」
「約束だからね。鬼関連はアリスに譲るって」
「その代わり、龍関連はリンに譲る」
普通のプレイヤーなら運が悪いと思うだろう。レベル60のボスモンスターなんて、今の段階では倒せる訳がない。だが、俺は違う!
「ガラァァァ!!!」
「みっけ」
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Lv:65 ボスモンスター[赤鬼](ライカル)
HP:133000
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「ネームドモンスター?!」
ネームドモンスターとは稀にモンスターの中に名前を持ったモンスターがいる。そのネームドモンスターには、話しかけるか倒すとクエストが発生する事が多い。
さて、どっちだ?倒して正解か?それとも...
「ゴロズゥ!!!ニンゲンン!ユルサナイィ!」
奴の棍棒が俺の頭上を走る。
俺は咄嗟に体勢を低くして下さい避ける。
うーん、生かすか殺すかなんて考えてたら俺が殺される。この調子なら殺した方が正解だろ...友好的なら生かす価値があるが...
俺は無数の斬撃を浴びさせる。
「イタイ!ニンゲン!」
「やべぇ!ガハッ」
猛スピードで棍棒が俺の体に激突した。
普通のボスモンスターなら、ある程度決まった攻撃モーションがある。だが、ネームドモンスターになると高いAI技術が投入されていて、俺ら人間の様な動きが可能だ。
「アリス〜、助けいる?」
「今の所はまだいらない」
さて、試しに使ってみるか。
「[影武装]!」
俺の手足に影を纏った。
半分以上も削れた体力はすぐに満タンに戻った。
「ハヤイ!」
「これならどうかな?」
俺は猛スピードで赤鬼の周りを駆け回りながら、少しずつ攻撃をする。俺のスピードでは赤鬼の攻撃は届かないだろう。
ん?あのブレスレットは?
赤鬼が首にかけているプレスレットが気になった。
闇の様なオーラを纏っている。魔道具か?赤鬼...鬼の一族はれっきとした戦士だから魔道具を頼ることは絶対にあり得ない。
「倒すとレベルがめちゃくちゃ上がるけど、ここはクエストの方を優先だな」
俺は赤鬼の背後に周り、肩車をして足で赤鬼の首を締める。
「ガァ!ヤメロ!」
さて、このブレスレットは破壊できるかな?
俺は赤鬼のブレスレットを掴み短剣で紐の部分を斬った。だが、ブレスレットの紐が頑丈で切れることはできない。
「ちっ、今の俺の攻撃力じゃどうもならんか?な 装備破壊のスキルとかあったら楽だったのによ」
「ハナレロ!」
「嫌だね[影の刃]」
ーーーーー
[影の刃]
効果
・MP3000を消費して、刃に影を付与する。その振りは500%のダメージを与える
ーーーーー
これでダメなら殺すしかない。
ザクっ!
ブレスレットは綺麗に切れたのだ。
すると赤鬼の体内から黒いオーラが抜ける様に消えていく。真っ赤に染まっていた瞳が黒色に戻っていくのが分かる。
ーーーーー
《隠しクエスト》
闇に染められた赤鬼を解放せよ
報酬
・???
クリア
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ーーーーー
インスタントダンジョン[ゴブリンの里山]
乱入モンスターが現れた事により、時間攻略ランキングには入りません。その代わりランキング1位の時の報酬を与えます
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レベルアップ
レベル8となりました
ちっ、本来ならボスとか倒してレベル10を超えるぐらいの計算だったが、ゴブリンのボスモンスターを倒したのはコイツだし、赤鬼を殺せなかった。
「オレを解放したのはお前らか。戦士としてここで感謝する」
「これは?」
「オレの村で認められた戦士が持つモノだ」
ーーーーー
アイテム[鬼の一族に認められた証]
等級:コモン
制限:なし
性能
・特定のNPCの行動を変更
ーーーーー
「時間があった時にオレの村に来い!その時に助けてもらった報酬をあげる!」
ーーーーー
クエスト発生
説明
・[鬼の一族に認められた証]を持って、鬼の里に向かう。
報酬
・経験値
・???(行動によって報酬が変わる)
ーーーーー
「オレはすぐに里に帰らなくちゃいけない。今何も渡せなくてすまない!」
「ああ、これをくれた事だけでもありがたい。今度アンタらの里に行くよ」
「あい!歓迎する!」
赤鬼はすぐに森の奥に消えていくのだった。
ーーーーーーー
(アリスのメモ帳)
・既存ステータスは装備していないステータスの数値で、合計ステータスは装備している数値と既存ステータスを合計したステータス値
ここまで読んで下さり、ありがとうございます。
モチベで執筆スピード変わるので、続きが読みたいと思って下さったら、是非☆☆☆とフォローしてくれると嬉しいです!
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