第13話はじめてのユキネちゃんパパ!(あそんでくれるかな!?)

【ヒロイン紹介!①】


ミズホ:人格システム障害起こしてる。


お前ヒロイン降りろ。


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「何者かから連絡を受けてな。『お前の妻子が暢気のんきに公園で遊んでいるぞ。ずいぶん自由な家庭のようだ』と、嫌味付きでな」



 公園に現れた黒服の男。

 彼は「大方、敵対関係にある家の者からだろう」と続け、ユキネさんたちを睨みつけた。



「おい、どうしてくれるんだ? 無能な娘とその産み豚のせいで、この私まで舐められてしまったんだが……?」



 男の視線に、ユキネさんとお母さんが身を震わせた。



「お父様ぁ……っ!?」


「だ、旦那様ッ! 大変申し訳ありませんでしたッ、申し訳ありませんでしたッ!」



 尋常じゃない怯え方だ。

 なるほど、コイツが例の暴力親父か。

 娘と妻を傷だらけにしたやつだな。



「びぎゅもた(お前の罪は重いぞ)」


「むっ、なんだその赤子は。それに……」



 野郎がミズホのほうを見る。



「あらごきげんよう。こんなところでですねぇ?」


「む、たしかお前は、没落した大文字家の嫁か。……くくっ、聞いているぞ。発狂して実家からも見捨てられた哀れな女だとな!」



 うわこの野郎、人の母親まで馬鹿にしやがった。

 本当に人格終わってんな。



「みじゅほぎんこうしすてむしょうがい? ふっきゅうしろ(ミズホ大丈夫か? こんな野郎の言うこと気にするな)」


「あら心配してくれてるのねウタ。大丈夫よ、ママの耳に入る男性の声はウタだけ。害虫の羽音なんてナイナイよ?」



 あとみじゅほじゃなくてミズホよ~惜しい! と言って微笑むママ上。

 なお彼女から受けた害虫扱いに、男のほうは「なんだと貴様!?」とブチ切れていた。



「この二等呪術師、四条イラガを侮辱したな。その意味がわかっていような……!?」


「えぇ、わたくしも元術師ですから。『呪術師同士のいさかいが起きた場合、呪術総會届け出の元、穏当に協議すべし。だが』」


「『和解の余地などなき場合、実力を以って解決すべし』だ!」



 イラガという男が叫ぶと、懐から札を取り出した。



「呪符よ起動せよ、『決戦結界』!」



 瞬間、イラガの札を起点として公園の大部分が漆黒の膜に包まれる。


 公園で遊んでいた他の母子などは、膜に弾かれて地面を転がった。



「わたみ!?(なんだこの黒い膜は!? それに人が……!)」


「ウタ、これは『決戦結界』と言って、戦いの場に呪力量の低い一般人を入れなくさせる効果があるの。――まぁ良識のある人なら、使うときには周囲の人に呼び掛けるものなんだけどね……?」



 母が皮肉げにそう言うと、イラガは「知るか」と吐き捨てた。



「我ら術師は、日々妖魔より国家を守る英雄たちだ。それが無力で役立たずな一般人の、それもガキやその母親に気を使えと? 知るかよ馬鹿め。むしろ我が行動を察して動かぬほうが愚かだろう」


「しゃちょぉのむしゅこ(お前マジで嫌な奴だな)」



 ……元々かなり怒っていたが、さらに腹立ってきたよ。


 思い出すのは前世で務めたブラック企業の上層部だ。

 ヒトをヒトとも思わず、気を使われるのが普通と思いやがって。



「さぁ準備は整ったぞ! 大文字ミズホよ、我が呪法を以って貴様を調教してくれるわ!」



 全身に呪力を滾らせるイラガ。

 だが、



「いいえ、お前の相手をするのはこの子よ」



 ミズホはそう言うと、ユキネさんに抱かれた俺へと微笑みかけてきた。

 えっ。



「0歳三か月の我が息子、大文字ウタが相手するわ」


「せかんどおぴにおん!?(って俺がやるのーーー!?)」



 そんないきなりーーー!?











「ちなみにウタ、やる気はある?」


「びぎゅもたぁ(炎上中だ)」

 

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