第11話はじめての公園デビュー!(おともだちできるかな!?)

・ここまで狂った母親としか会話してない。

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「外よ~!」


「しっこうゆうよッッッ!(外だ~!)」



 しばらくぶりの外である。

 葬式の日以来になるなぁ。



「おつとめごくろうさまでした(おでかけだ~)」



 俺は0歳児らしくベビーカーに乗せられ、ミズホに街をがらがらされていく。



「どうウタ? おそとの景色を見た感想は?」


「かれはじゃい(街並みは普通にコンクリートジャングルだな。ただ)」



 あちこち見れば『呪術』関連の店がちらほらあるや。


 呪力の通り道である『経絡系』に効くと謳うマッサージ屋。

 呪力を通すと動く『呪具』の専門販売店。

 そして基本的な呪力操作に戦闘技能も教えてくれるという『呪術師』トレーニングスクール。

 などなどなど……!



「くろぬりしりょう(まさに異世界の建物って感じだ! 中がどんなか見てみたいなぁ!)」


「あら気になる建物がいっぱいなのねウタ!?」


「こらぼ(ああ、どこも一回お邪魔してみたいだぜ)」



 俺がルンルン気分になるとミズホも同じく上機嫌になる。

 こりゃずっと元気でいないとな俺。



「あぁそうだウタ。家を出るときに渡した『隠蔽の指輪』は外しちゃダメよ?」


「わたみ?(この黒いヤツか)」



 むちむちな俺の赤ちゃんハンドを見る。

 その右手の人差し指には、漆黒の指輪がはめられていた。

 かっこいいぜ。



「その指輪は呪具の一種でね」


「るしあ(へ~)」


「術師から溢れる呪力の気配を抑えることができるの。いわば偽装ね」


「どやこんが(へ~)」


「まぁ、使われる機会は限られてるんだけどね。なにせ一般的な術師はむしろ、『自分はこんなに呪力量があるんだぞ!』って呪力ブンブン廻して周囲を威圧するものだから」


「やくきめろー(あぁ、昔の極道とかが肩イカらせて歩くようなものか)」



 呪術界って男社会だからな。

 そういうメンツの張り合いみたいなのが起きてるわけか。



「その点ウタは、わざわざ気張らずとも他の男たちより呪力がずっと……ふふっ。とにかく母が良いというまで、その指輪をつけておかないとダメよ?」


「ぷり(うす)」


「ハイいい子。ウタには今度、もっと素敵な指輪を薬指に買ってあげるからねぇぇ……!」



 ニチャァ~と笑うママ上様。


 特徴的な笑顔だけど元気みたいだからまぁいいだろたぶん。

 オリジナル笑顔で駆けだしていけ。



「さて約束の時間も近いわね。公園目指してママ走るわよー!」


「なごや(うお~~~!)」



 

 ミズホに押されて公園にゴーだ。


 さてさて、彼女のママ友さんってのが気になるところだぜ

 あと向こうの中学生の娘さんもご一緒すると言っていた。


 二人ともどんな人か気になるな~っと。 




 そして。




「――ミ、ミズホ様、ごきげんよう。あまり家を空けられないから、手短に話してくださる……?」



 若奥様と、彼女の娘らしき中学生の子。


 二人ともあちこちボロボロで包帯を巻いていた。




「びぎゅ、もたぁ……?(それ、誰がやった……?)」




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【主人公紹介】


大文字ダイモンジウタ:知り合いが『精神崩壊して教育虐待ほどこす母親』と『それを止められないメイド』と『なんか傷だらけの母子』しかいないけど元気。


↓ご感想にご評価レビュー、お待ちしています。王道作品です。


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