「びぎゅもたぁ!?(どうしてこうなった!?)」 呪力360で危険視される世界で鍛えすぎた俺、 ◤異例◢の呪力1万3584に到達。ラスボス扱いで草枯れる【るし、あ?(俺が、呪いの王?)】
第4話はじめての母親発狂!(なんてこった!)
第4話はじめての母親発狂!(なんてこった!)
「かれはじゃい(無慈悲すぎて草も生えんな)」
父の死から数日後。
呪術の名家『大文字』家は没落することになった。
なにせ唯一の稼ぎ頭である父さんがいなくなったんだからな。
今後のことを考えて使用人は十人以上から二人に減少。
あと『
要するにボロボロって感じだ。
「ちゅいかけんしゃ(さらに)」
俺は子供部屋から屋敷の庭を見た。
そこでは美しい母さんが、裸足でぼんやりと歩いていた。
急いで和服メイドさんが駆けつけ、彼女を屋敷に連れ戻そうとする。
「ごりゅふ、ぼぉる(あれは、ダメだな)」
彼女は精神崩壊した。
きっかけは間違いなくあの葬儀の日だろう。
「ほけんじゃいちゃななちゃ……(あの呪術師の野郎ども……)」
葬儀後、陰口を言っていた連中は母に群がり口々に嗤った。
『お前の夫は歴史に残る恥さらしになったな。雑魚妖魔に未亡人にされた気分はどうだ?』
『さて実家に回収されたらアンタはどうなるかねぇ? 初産を終えた出がらしの身だ、客人用の“一夜のオモチャ”となるかもなぁ?』
『いやいや旦那さんはとても強い術師だったよ? なのに疲れ果てて不覚を取られたとなれば――奥さん、アンタが支えてやれてなかったんじゃないかい?』
……そうして母の心は壊れた。
もう数日、目を虚ろにさせてずっとぼんやりとしている。
おかげで実家に呼び戻される話はなくなったそうだがな。
「ひゃちょぉのむひゅこ(妖魔も怖いが、この世界の人間もかなり怖いな)」
呪術師どもがやたらと女性を卑する理由。
それは『呪力』が男性よりも劣る傾向にあるかららしい。
そして初産以降の出産では、子に呪法が宿る確率が大きく落ちるとか。
だから妻を愛するような真似もせず、一度産ませたら用済み扱いか。
なるほど。
「たちいりけんしゃ……ッ!(ふざけるな)」
激しい怒りが胸に燃えた。
思い出すのはブラック企業で使われ続けた過去だ。
ヒトをヒトとも思わずに好き勝手しやがって。
「ばいしょうきんせいきゅぅう……!(絶対に強くなってやる。妖魔にも、他の呪術師たちにも負けないために……!)」
赤子の身にあらざる『激怒』の感情。
――そんなものを燃やしていたせいか、俺は不思議と身体が熱くなっていくのを感じた。
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