第3話 混浴1。なぁにをいまさら恥ずかしがっておる? ぬしさま。
(ぱしゃっ。水音。湯気)
(横開きの木の扉が軋みながらゆっくりと横に開く音)
(ぺたぺた、と、濡れた石の床の上を裸足で歩く音がゆっくりと近づいてくる)
「にゅふふふ……! どうじゃえ? ぬしさま? 今日の湯加減はちょうどええかや? 帰ってきた初日の
(ばしゃっ! 主人公の動揺。しばらくじぃっと見つめていたあと、我に帰り、浸かっていた湯船にあわててより深く浸かる音)
「おんやぁ? どうしたのじゃ? ぬしさま。まるで林檎のようにそんなに顔を
(ぺた、濡れた石の床の上を裸足で歩く音がまた一歩近づいてくる)
「じゃから、お礼にこうしてぜひ、ぬしさまのお背中でも流させてもらおうかと……んや? いらない? それより、目のやり場に困るから早く出ていってくれ、じゃと? にゅふふ。なぁにをいまさら恥ずかしがっておる? ぬしさまが
(つう……、と湯気でわずかに湿ったなめらかな肌、その正面を上から下へゆっくりと細い指がなぞる)
「いつまで経っても変わらぬ、こぉんな
(ぱん、と小さな両手のひらを合わせる音)
「にゅふふふ……! これは、よいことを思いついてしまったのう……! 思いがけず、ぬしさまにお蔵入りになったあれをお披露目するよい機会じゃ……! ぬしさまや? 要は、目のやり場に困らねばよいのじゃろう?
*↑ ぬ・し・さ・ま・や? は特にことさらに悪戯っぽい声色で。
「〜〜〜🎵」
(濡れた石の床の上を足どりも軽く、鼻唄混じりに裸足で小走りに去っていく音)
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