復讐

誰か私を。

殺して、下さい。

この世を生きることに、疲れたんです。

笑顔を保つのに疲れたんです。

「私」でいるのに疲れたんです。

なんて、貴方には分からないよね?

虐めてる側の気持ちだなんて大体はそんなものだ。


「前に、お前がやっただろ?」


そんなのただの免罪符。

自分が、逃げたいだけだ。

――嗚呼、惨めだね。


突然さ、連絡寄越しやがったと思ったら。

そこにあったのは27件、スタ連。

しかもニヤッと笑ってる猫。

意味がわかりませんよ。

戸惑って震える手で返信。

全然既読がつきません。

そんな貴方から、きた返事。


「はろー」


どんだけ私を嘲笑う気ですか?

既読もつけないくせにね。

そのくせ、私には対応を望む?

嗚呼。

もう嫌です。

本当に私を殺してよ?ねぇ。

これを読んでいるそこの貴方。

私の存在をぶっ潰して?

全てを無かったことにして?

この世にみんなで蹴りをつけよ?

彼奴アイツは私を恨んでいます。

前に一言発しただけなのに。

それが、何倍にもなって今私に返ってくる。

お前がいなかったら、私の生活はどれだけいいものだったと思う?

お前が違う学校にいたら。

塾が違って、初めてここで出逢えば。

あの時私があんなこと、しなければ。

でも。

今悔やんだって、仕方ないでしょ。

――そんなの、とっくに知ってます。

何回、これを考えたと思う?

何夜、怖がりながら寝たと思う?

何度、君から逃げたと思う?

私のことなんてしらないくせに。

私は、彼奴アイツを恨んでいる。

でも、あの人には勝てない。

理不尽な、この世だね。

良い人には沢山武器を持たせて。

要らない人はそっちのけ?

そんなこの世が嫌いです。

誰か、私を助けてください。



「助ける」そんなの綺麗事だ。

だから、私は死ぬことを望む。

死ぬ理由。

それは、お前への――復讐。

お前は一生この命を背負え。

お前の人生には私がいつも犠牲となっているんだ。


「うわ、あいつあんなんで死んだん?ザッコw」


そんな独り言勝手にどうぞ?

私にとっては「あんなん」じゃないんです。

君は、私の人生を台無しにした。

でも、私には君を殺すようなことは出来ません。

だから。

私が、君の人生をぶっ潰してやる。

今から、ここに飛び込めばいい。

学校の屋上。

綺麗に揃えられた靴の横には一通の紙。

ここに、全部が書いてある。


「ヴヴッ」


スマホが震えた。

開くと――また、彼奴アイツからのスタ連。

あぁ、もういいや。

――さぁ。










復讐だ。

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