光って
「もっと、光って?」
――そう思ってた。
でも、それは叶わない願い。
もう君は君じゃないから。
過去の君が好きだった。
凛としてて、カッコよくて。
そんな君に恋焦がれた。
あの君は輝いてた。
まるで、原石を磨いて生まれた宝石のように。
どんどん光って、輝きを増してゆく君が私の憧れだった。
――だった、んだ。
だって、もう君は輝きを失ってしまった。
過去の君ではなくなってしまった。
私が好きだったのは、『みんなに愛される君』で、『本当の君』じゃない。
輝きを失っても、君は変わらないよなんて薄っぺらい言葉、言えるわけもない。
君は君でいてくれないと、私は君を愛せない。
だって、私は――
君が好きだから。
今の君は哀しそうだ。
過去を振り返って嘆いている。
そんな君を見るのは辛いよ。
君には元気でいて欲しい。
君には笑顔でいてほしい。
元の君に戻れば。
光の中に入れば。
皆に愛されれば。
君は、また笑ってくれますか?
そんなの未来なんて分かりません。
けれど、戻るかもしれない。
君にまた会えるかもしれない。
私は君に会いたいです。
だから、もう一度君に言います。
お願いだから、ねぇ。ねぇ。ねぇ――!
「光って?」
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