「頑張ったね。」


その言葉は、まるで私を明るく照らす炎のようで。

その時から、私は君に憧れ始めたんだ。

この物語を、君へ。


私は、ひとりだった。

別に、虐められてるとかぼっちとかそういうのでは無い。

心を許せる人間がいないだけだ。

いつも、「私」を作って、毎日を過ごしてる。

でも、私はまるでマシュマロ。

何事でも柔軟に受け止める。

でも、ある1箇所を突かれると呆気なく穴が空いてしまう。

そんな自分が不甲斐なかった。

悲しかった。

こんな自分、大嫌いだった。


そんなマシュマロの殻。

それを外してくれたのは、君だった。

外してくれた、というより溶かしてくれたんだ。

ゆっくり、優しく、優しく。

君は、まるであたたかい炎のようだった。

綺麗、ずっと見ていたい、近づきたい。

でも、近づきすぎると火傷してしまう。

そんな存在だった。

その付き合い方は私にとって都合が良かった。

いつもは、私が嫌がらない程度に心に踏み寄ってくれて。

一人でいたい時は、そっとしておいてくれる。

でも、誰かといたい時はそっと寄り添ってくれる。

君は私にとって、とても暖かい存在だったんだよ。

誰よりも、いちばん。


でも、君は自分のその関わり方を良くないと思っているのだろう。

もう、味方なんていないと思っているのだろう。

君は、私に弱音を吐かない。

もうしわけ、ないなぁ。

いつも迷惑だけかけちゃって。

力になれなくて。

炎に頼ってしまってる自分が、情けなかった。


炎は、何時いつでも灯っている訳では無い。

勢いが弱くなってしまうこともあるし、消えてしまうことだってある。

でもまた灯される炎に、憧れた。


君のおかげで、私はあの殻から自由になれたんだ。

決められた「私」じゃなくて、自由な「私」になれた。

全部、君のおかげだよ。

最愛の友に、この言葉を贈ろう。


「私は、いつでも君の味方だよ。」

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