鳥籠の鳥
「最高じゃんっ!」
大したことじゃなくても、そういうしか無かった。
ずっと、「偽」の自分を作ってた。
周りのムードとかに合わせて、笑ったり、言葉を発したりしてた。
でも、なんだかいつも楽しくなくて。
いつも笑ってる、みんなが羨ましかった。
それになりたいって、ずっと、ずっと思ってた。
表の私に近寄ってくれる子は多かった。
勉強ができる。
いつも笑顔で怒らない。
そんな私はいつの間にか、表の私を保つことに慣れてしまって。
いつか、それが本当の私になるんじゃないかって期待してしまった。
――そんなわけ、無いのにね。
私は、いつまで経っても、1人の意地汚い人間で。
「優しい」「頭がいい」「怒らない」そんな私になれるはずなんてないって、分かってた。
でも、今の私を変えることなんてできない。
今のままでいれば、私の存在を周りに認めてもらえる。
私が、ちょっと我慢をすればいいだけだ。
自分は、まるで鳥籠の中の鳥のようだと思う。
とても、綺麗で、愛したくなるような。
でも、その鳥には自由がない。
飛び回ることも出来ない。
好きな所へ行くことも出来ない。
その鳥籠が、どれだけ鳥にとって嫌なものか、人は知らない。
そんな鳥籠を開けてくれたのが、君だった。
君は、素の私を認めてくれた。
そんな私でも、いいって言ってくれた。
君のおかげで、私は広くて、とても素敵な景色を見ることが出来たんだ。
君が認めてくれたから、私は頑張ることが出来た。
努力することが出来た。
笑顔になることが出来た。
全部、全部君のおかげ。
だから、
「君が、私の最高のヒーローだよ。」
ヒーローに、この言葉を贈る。
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