私のアイドル


「君は、君のままでいいんだよ。」


キミが言った言葉を、私は忘れることが出来ない。

キミはいつも輝いていた。

まるで、ステージに立って、みんなを喜ばせる

アイドルのように。

キミは私に希望をくれた。


ひとりぼっちで、寂しくて。

まるで海にぽつんと浮かぶ孤島のようだった。

私は何にもできなくて、ただただうずくまっているだけ。

自分が悪いって分かってた。

自分が踏み出さないから、私は1人で。

行動してる人は人気で、幸せなんだって。

でも、怖い。

私が、違う人になるみたいで。

変われない。変わりたくない。

変わりたいけど、変われない。

どうすれば良いのだろう。


そんな時に、救ってくれたのがキミだった。

キミは、眩しくて、とてもかっこよかった。

私にとって、キミはアイドルで、希望を手渡してくれる。

でも、もう一度その手を握ろうとして、手を伸ばしても届かない。

もう、私とは違う方へと歩んでいる。

そんな存在だった。

私には、その姿が煌めいて見えた。

とても、美しく、綺麗に。

キミのことを知ってから、人生が急に輝き出したんだ。

まるで、雨上がりの空のように。

その時見た虹は、とても綺麗で、生きる意味を与えてくれた。

でも、虹だって陰ることもあって。

ずっと、ずっと輝いてるわけじゃないんだ。


キミは、私のアイドル。

ありがとう、希望を。夢を。人生を。

キミがいたから、私は今生きていられる。

キミは、私の虹。

眩しくて綺麗だけど、つかめなくて消えてしまう。

そんなキミは、私の憧れ。

その背中をずっと追い続ける。

だから――


「好き。」


今、口に出したこの思いは胸の奥に閉まっておくことにした。

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