第3話

あなたは十八歳になり、第四教育所に入るのに合わせて、あなたは矯正施設から出ることを許されました。

あなたは矯正施設で真面目に勉学に励んでいたので、Aクラスの第四教育所に割り当てられました。


あなたは自分の中の野性に怯えていました。

この脇毛の一本すらも、嫌われる世界。全ての棘、角を取り除いた、優しい世界において野性はもはや消えた概念なのです。

いつ、呼び覚まされるか分からない。自分は不器用だから、あの男の子のように陰湿な形で発散することができない。自分でも知らないうちに溜め込み、何かをトリガーとして、爆発してしまう。

矯正施設で溜め込まない術を訓練してきたとはいえ、恐怖は拭えませんでした。


その為、あなたは第四教育所で、部活やサークルに入ることはありませんでした。

授業を黙々と受け、寮に帰る。それを繰り返す毎日でした。

人との関りは、食堂での会計しかありませんでした。


第四教育所四年目で、あなたはある女性と出会います。

全ての関りを絶っていた、破壊人間記録を破壊された人のようなあなたは、もちろん恋人をつくることも避けようとします。

しかしその女性はあなたの存在をしっかりと認識し、あなたに近づいて行きました。


その女性はその選択を後悔したことはないでしょう。



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