第36話ーブラックジャック


「今回のゲームはあり、チップは三十枚スタート。ディーラーは一回交換で、時計回りに一周したらトランプのカードをリセット。ディーラーを三週した後、一番チップが多かった人が勝利。もしディーラー側が払えなくなった場合でも、その時点で終了。異論は無いかな?」


「「異論無し!!」」


「二人とも!さあ、ゲームの始まりだプレイスユアベット!!」


 ディーラーであるニャル様から時計回りに、樹、蒼の順番で座っており、ニャル様の説明に二人が異論を示さなかったことでゲームが始まった。

 ニャル様の合図でゲームが始まると、プレイヤーの二人はまず手始めとばかりに二点ずつ賭けていく。


「二点ベットで」


「うん、僕も二点ベットで」


「いいね。それじゃあ締め切りノーモアベットだ」


 ディーラーであるニャル様が賭けを締め切ると、一枚目のカードは樹と蒼のだけを表向きに、ディーラー自身のは伏せて、それぞれの目の前に置いた。

 自分のを伏せて置いたニャル様が、神業の如く素早さで樹と蒼の一枚目のカードの角に重なるように二枚目のカードを表向きにして置くと、自分の二枚目のカードを伏せて置き、伏せて置かれていた一枚目のカードを表にしては二枚目のカードに重ね、プレイヤーに見えないようにカードをチラッと捲って数字を確認する。

 盤面的には樹が♣️の五と♥️の十、合計は十五。

 蒼が♠️の六と♦️のエース、合計は十七か七。

 ニャル様が♦️のクイーンと何かで、合計は十以上。

 蒼は配られたカードをチラッと全体的に見ると、手元にあるチップをガチャガチャとシャッフルし、誰にも見えない手前の死角にチップを一つだけそっと置いた。


「まずはいっちゃん。ヒットする?」


「サレンダーで」


「サレンダー把握」


 サレンダー……つまり降参をした樹の元々の賭け金オリジナルベットから半分の一点をニャル様が没収し、残りの半分である一点を樹が回収して終わった。

 

「じゃあ次は蒼っち。ヒットする?」


「ヒットで」


 ヒットを宣言した蒼に、ニャル様はカードを表向きにして二枚目のカードの角に重ねて置いた。

 そのカードは……♣️のエースだ。

 今ある蒼のカードは♠️の六と♦️のエース、♣️のエースで……合計点は、二十八、十八、八。

 蒼は手元にあるチップをシャッフルして遊ぶと、手前の方にチップを二枚重ねて置く。

 

「なるほどね……」


「ヒットする?」


「ヒットで」


「はいよ」


 再びヒットを宣言する蒼に、ニャル様は表向きにしてカードを置く。

 そのカードは♣️の二で、♠️の六と♦️のエースに♣️のエースがあり……その合計点は、三十、二十、十だ。

 蒼は手元にあるチップをガチャガチャとシャッフルして遊ぶと、手前の方に一つだけチップを置く。


「ヒットする?」


「んーん、スタンドで」


「OK」


 プレイヤー二人のアクション(追加をするかどうかのこと)が終わると、上に重ねられ表向きになっている♦️のクイーンを横にスライドし、下の方に重ねられ伏せられていたカードを表向きにしたニャル様は、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

 伏せられていた二枚目のカードは♠️のエースで、♦️のクイーンと合計すると二十一点になる。

 ブラックジャックは、ディーラー側よりもプレイヤー側が二十一点に近ければ勝つゲーム。

 つまり……合計点が二十の蒼は、ディーラーであるニャル様より二十一点との差が大きいためバストしたのだ。

 蒼は心底悔しそうにしながらチップをシャッフルし、手前の方にチップを二枚重ねて置く。

 

「「ブラックジャック……」」


「ふふふ……ボクの勝ち」

 

―――


豆知識

♣️(クラブ)▶︎春を表している

♦️(ダイヤ)▶︎夏を表している

♥️(ハート)▶︎秋を表している

♠️(スペード)▶︎冬を表している


♣️2❌  ♣️3  ♣️4  ♣️5 ❌ ♣️6

♣️7 ♣️8  ♣️9

♣️10 ♣️J ♣️Q ♣️K  ♣️A❌ 

 

♦️2 ♦️3 ♦️4 ♦️5 ♦️6

♦️7 ♦️8  ♦️9

♦️10 ♦️J ♦️Q❌ ♦️K  ♦️A❌ 

 

♥️2  ♥️3 ♥️4 ♥️5 ♥️6

♥️7 ♥️8 ♥️9

♥️10❌  ♥️J ♥️Q ♥️K  ♥️A 


♠️2 ♠️3 ♠️4 ♠️5  ♠️6❌

♠️7 ♠️8 ♠️9

♠️10 ♠️J ♠️Q ♠️K  ♠️A❌

 

※すみません。ガタツキが出てしまいました……


 

【ブラックジャック】

※wiki等サイトからの引用、参照あり


〇ブラックジャックとは?

ブラックジャック:別名21トゥエンティ ワンは、ディーラー(ゲームの進行役)との駆け引きを楽しむ対戦型ゲームであり、シンプルながらも奥が深いゲーム性が人気なカードゲーム。


〇基本ルール

プレイヤーはディーラーよりもカードの合計が21点に近ければ勝利で、賭け金チップ毎に勝利した分の配当を得ることができる。

ただしプレイヤーの「カードの合計が21点」を超えると、その時点で負けて賭けたチップを全部失う。


〇カードの数え方

2……9までの数字はそのまま点数となり、10と絵札の(J:ジャック、Q:クイーン、K:キング)は10点で、A:エースは1点か11点の好きな方を選べる。


〇特別な役

最初に配られた2枚のカードがAと絵札……合計21点が完成していた場合を『ブラックジャック』といい、その時点でプレイヤーの勝ちで、配当は3 to 2の1.5倍。

但し、ディーラー側もブラックジャックだった場合は引き分けとなる。


〇簡単なゲームの流れ

①ゲームスタート。

②チップを賭ける。

③賭け終了。

④ディーラーがカードを2枚ずつ配る(ディーラーのは1枚目を表に、2枚目を裏向きに)。

⑤ディーラーがプレイヤーに対して順番に、カードを追加ヒットするか聞く。

何枚でもヒットできるが、21を超えると失格バストする。

要らなければ手を横に振って、要らないことを示すスタンド

⑥ プレイヤー全員が選択を終えた後、最後にディーラーがカードをめくり、17点以上になるまでカードを引き続けて勝負となる。但し、ディーラーが21点以上になった場合はディーラーの負けとなり、バストせずに残っているプレイヤー全員の勝利。

⑦ ディーラーよりも21点に近いプレイヤーは勝ち、賭け金と同額の配当を得ることができる(つまりは2倍になって返ってくる)。逆にディーラーよりも21点に遠いプレイヤーは負けとなり、賭け金は没収されます。同点の場合は引き分けプッシュとなり、賭け金が返ってくる。


【特殊ルール】


〇ダブリングダウン(ダブル)

▶︎ チップを元々の賭け金オリジナルベットと同額まで上乗せ(最大に2倍に)して賭けることが出来る。ただしカードは1枚しか引けない。


〇スプリッティングペアー(スプリット)

▶︎ 最初の二枚のカードが同数なら、オリジナルベットと同額の賭け金を追加することで、二手に分けて勝負することが出来まる。ただしAのスプリットのときは、追加カードは一枚のみ。スプリットをした後にもスプリットをすることができ、そのことをスプリットアフタースプリットと言う。


〇インシュアランス

▶︎ディーラーの見せ札アップカードがAの時、ディーラーのブラックジャック(初手21)に対して、オリジナルべットの最大半分まで保険をかけることが出来る。ディーラーがブラックジャックだった場合は、オリジナルべットを失って保険金の2倍の配当を得る……つまり-1+0.5×2=0のプラスマイナス0になる。また、ディーラーがブラックジャック以外だった場合は保険金を失い、オリジナルべットで続行出来る。


〇イーブンマネー

▶︎プレイヤーがブラックジャックで、ディーラーのアップカードがAだった場合、プレイヤーはディーラーの二枚目のカードを確認せずに1倍の配当を得る。ちなみに、互いがブラックジャックだった場合は配当がなく、相手がブラックジャックじゃなかった場合は配当が1.5倍になる。

 

〇サレンダー

▶︎降参すること。始めの2枚のカードが配られた時点で、賭け金の半額を放棄し、残りの半額だけを返してもらい勝負を降りることができます。

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