第34話ー三人の暇つぶし


「さてと……俺たち温泉から上がったは良いけど、女子待つ間何する?」


 早目にあがった男二人と無性別の神一人は、浴衣姿となって暇を持て余していた。


「んー……先にご飯を食べるのもなぁ……かと言って、何をするって言われても……」


「まぁ、ご飯は陽葵と綾華が来てからではあるよな。ニャル様、ここで軽く時間潰せそうなのない?」


「ん?あー……映画とか本とか、ゲームとか?」


「「それだっ!!」」


 蒼は三人で暇を潰す為に何かあるか聞くと、ニャル様が口にしたゲームという言葉に二人は反応し、テンションを上げながら具体的にどんなゲームがあるのかを聞く。


「いいね!やっぱゲームでしょ!」


「ねぇ、ニャル様!ゲームって何があるの!?」


「蒼っちといっちゃん、ゲーム好きだねぇ……」


「「まぁね」」


「んー、そうだね……まぁ、色々あるよ?君たちが夜にやってたGunFightOnlineとか、とか」


「まぁ、ありっちゃありだけど……」


「時間が掛かりすぎるし、フルダイブだから二人が温泉から上がってきたの気づけないよね……」


「そっかぁ……お手軽なのだったら……じゃあ、トランプでもする?」


「「賛成!!」」


 GunFightOnlineガン ファイト オンラインやら、大乱戦アタックブラザーズやらのゲームが出たものの、どれもフルダイブ型VRゲームだったため断念した。

 しかしニャル様は、その代わりとしてトランプを提案したのだ。

 トランプはフルダイブの必要はなく、直ぐに辞めることが出来るという利点があるため二人が賛成すると、三人はこの秘密基地の最初に来た部屋へと戻り、それぞれドリンクサーバーからコップに水を汲むと、ぷはーっ!と豪快に飲み干してはコップを机の上に置いて、その机の周りを囲むように置いてあるフワフワなソファーに腰を沈める。


「ソファーふわっふわっ……サイコー」


「ふぁー……蕩けるぅ……」


「喜んでくれてるようで何よりだよ。で、何やる?ブラックジャック?ポーカー?大富豪?何でも良いよ」


 指をパチンと鳴らして異空間からトランプとオモチャの賭け金チップを出現させたニャル様は、ソファーに沈む様に座っている二人に、トランプで何をするのか尋ねた。


「三人でやるならブラックジャックとかか?ディーラー(ゲームの進行役)一人、プレイヤー二人の交換制で」


「うん。僕もそれで良いと思うよ」


「よし!じゃあブラックジャックに決まりだね!最初はボクがディーラーをやるよ」


「「ありがとう!!」」


 する暇つぶしはブラックジャック(21:twenty oneトゥエンティ ワン)に、そして最初のディーラーはニャル様に決まった。

 

―――

 

【本作のGunFightOnlineの定義】

 

GunFightOnlineガン ファイト オンラインについて

頭文字を取って、通称、GFO(ジーエフオー)とプレイヤーからは呼ばれている。が、しかし上位層のコアなファン達からは、そのリアル過ぎるグラフィックから「リアル殺人ゲーム」やら、広すぎる戦略を駆使して狂気じみたキルをするプレイヤーが居ることから「サイコパス発見機」やら「サイコパス養成ゲーム」やら言われている。


〇ゲーム性

最大四人チームのバトルロイヤルで、合計百人が徐々に狭まられていく決められたエリアの中で武器やアイテムを拾って戦う。

 


【本作の大乱戦アタックブラザーズの定義】


数いるキャラ達の中から一体選択しそのキャラの特性や特徴を活かしながら戦う、対戦アクションゲーム。しかし一番に注目したいのは、フルダイブ型VRゲームだという点にある。技を発動させる時は、発動させたい技のモーションを自分が再現しないといけなく、現実での運動神経は関係無いものの動体視力がかなり反映されるのだ。

 

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