第2話「帰宅時間の誘い」
あぁ、今日となる日が来た。ついに誘う日だ。今は全ての準備が終わり学校に向かう前に、一目惚れの彼女と一緒に登校する約束をしている。
ダッダッダッ
「おはよう! 茂くん!」
「おはよう」
彼女は、昨日紹介した、稲美雛、俺の幼馴染だ。透き通るような優しい声に、風に靡く髪がとても綺麗に見える。
「茂くん明日は、神社祭りだね!」
「そうだな」
「帰りに話があるから、その時少し話せないかな?」
「いいよ、丁度俺も話があるんだ」
彼女の考える事は少しだけ感づいた、祭りに誘ってくれるのか……と、神社の祭りだねこのワードは小さい頃から聞いてきていつもお誘いのパターンだ。でも彼女からばかりの誘いは悪い……今日は自分から誘いたい
学校に着くと、いつも通りの勉強と時の流れが進むに渡りゆったりとした時間の時計この時計を見てると嫌な勉強だと時間が遅く感じ好きな勉強だと早く感じる。帰宅の時間が待ち遠しくて仕方ない(おいおい)と自分でツッコミを入れてしまうほどだ……まぁまずは、勉強に集中しなきゃな、自分の為になる事は一先ずも優先すべきだ。
窓側の席を見ると、彼女と目が合った。ふと焦り逸らすと彼女も焦って逸らした。もしかして帰宅のこと考えてるのか……なんていかんいかんそれは俺だけか……
休み時間
「なぁなぁ、茂〜雛ちゃんの事誘う気だろ?」
「そうだが……」
彼は、親友の、羽柴優(はしばすぐる)彼は唯一俺の事を一番理解してくれてるんじゃないかと言えるほどの親友だ。前に、祭りに誘ったが雛と行けと言われたぐらいだ。別に、彼と行きたくないわけじゃないが、雛を優先しろといつも言う。俺が雛の事好きと言わなくても優は分かってるんだなと思う。
「で?今日告白すんの?」
「あのなぁ……告白はするがもう少し小声で話してくれ」
「ヒュ〜男前だな茂! ますます気に入った!」
やはり分かっていたようだ。応援してくれるのは有り難いがごちゃごちゃとした先輩や後輩が通る窓側廊下で話す話じゃない……
「応援してるぜ?後で話聞かせてくれよ〜」
「サンキュ、分かった分かった」
休み時間も終わり勉強に集中する。高校生になると勉強もますます増え難しくなる一方。帰宅後と優と話してた内容が頭から離れず、クルクルクルリと回ってる。後は、弁当食べて、5〜6時間目の授業やれば終わりと。そうそう一緒に弁当食べる人は、優と雛なんだよな。雛と優も仲が良く男女3人仲良しなんだよな。おっとそろそろ勉強も終わりそうだ。弁当用意しよ
「雛ちゃん、茂、お待たせ〜」
「優くん、待ってたよ〜」
「どうせ宿題やり忘れやってたんだろ?」
「あらまバレちゃいましたか〜あちゃちゃ〜」
「フフ、優くんまた忘れちゃったの?」
「そうなの、僕忘れちゃって〜、で?夏祭りだ
けど雛ちゃん誰誘うの?」
「ゴホッゴホッ」
水筒のお茶を飲んでる最中にむせてしまった。優……聞きたいこと多すぎないか?と言うか、今聞く話じゃないだろ
「大丈夫?茂くん💧、えっと〜内緒かな?」
「ふ〜ん、まっ!楽しみにしてるぜ?」
「?」
優のやつバラしそうで怖いな……と危機を感じるお昼の会話であった。
後は、5〜6時間の授業が終われば、帰宅の夏祭りのお誘いが出来る。良し頑張ろう。
そしてやっと待ちわびてた、帰宅時間になった、雛と目をそんなに合わせられずに帰っていきながらも俺は勇気を出して話そうとした
「あの」
「あのっ!」
「先にどうぞ」
「あっうん……あの良ければ俺と夏祭りに行かないか?」
「私も誘おうとしてたところ!初めてだね!茂くんが誘ってきたの」
「ハハ…そうだな」
固くなっていた表情と喋り方も段々と落ち着き次第には少し笑えているようになった。
「じゃあいつもの時間にね?夏祭りの時の約束?」
「あぁ…約束な」
俺らしか分からない約束の時間。この時間だけは頭にちゃんとびっしり残ってるもしかしたら学校の勉強よりもびっしり頭に叩き込まれてるかもな
「じゃあ、また明日!」
「あぁ、また明日」
そして別れを告げ家に帰るのであった。
夏の日の夏祭り君と見たあの空に咲く花はとても美しく見えた 夜桜🌃🌸 @Yozakura1129
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