愛と孤独

てると

愛と孤独

 朝、起きて、私はまず神様にお祈りをする。

「愛する天のお父様、御名を崇め賛美致します。」

 通っている教会の人たちの真似をして、一言一言その日の祈りを口にする。


 私が大学に入って一人暮らしを始めて、何人か友達もできたけれど、やっぱり、孤独だ。学期末にレポートを見せ合って、ただ単位を落とさないための同盟。

 高校の頃、周りが隣りの国のアイドルなんかに夢中になる中、私はドイツの哲学者の本を熱心に読んでいた。偶像は私に愛をくれなかったけど、孤独をすすめるその人は私を慰めてくれた。そんなところに、愛を感じていたことに、最近気づいたのだ。

 教会に入るときには、この哲学者と信仰が矛盾しないかと悩んだものだった。でも、神様が人間と共に苦しむ姿勢に感銘を受けたのだった。そのとき、私は教会の方に、「神様も苦しむことがあるんですか」と聞いたのだった。ありますよ、という答えだった。

 愛にはどうにも、苦しみが付きものらしい。よし、私は、この世界を赦してやろう。だって、愛して裏切られたって、愛したことは損にならない。朝で、寝ぼけているからこんなことを考えるのかも知れない。分からない。でも、きっと私は、この世界が好きなのでしょう。

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愛と孤独 てると @aichi_the_east

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