第133話
さぁ、推定=サンゴの化石の鑑定をしてみるか。その前にザックリとスケッチをしてみよう。この世界にはカメラも無いから写真で画像を残して…とかは出来ないしな。もしかしたら魔道具で記録媒体があるかもしれないけど今ここには無いわけだし。宿の女将さんから芭蕉紙を分けてもらいペンを貸してもらった。簡単に全体像をスケッチし、色や採取場所など特記事項を書き込んでいく。今回は、“ 『ビレッジアップ』の『露天商・ピンキリ屋』にて銀貨二枚で購入 ” が採取場所になる訳か。この後、『対物簡易鑑定』結果も記入すれば鉱物ノートの一頁目が完成する。
色鉛筆が欲しいなぁ…。絵の具でもいいけど、岩絵の具とかだろうか? もしかしたら魔物素材とか魔道具とかで彩色用具があるかもしれない。後で皆に聞いてみよう。
『対物簡易鑑定』の結果は…
【サンゴの化石】 母岩である
うーん、アバウトだ。
研磨前に作業台を作ろう。宿屋の一室に流し台は無いしな。土魔法『土器』でシンクと言うかトロ舟と言うか…な形状のものを作成。大き過ぎると最後に廃棄する時に持ち運びが大変になるのが目に見えているので小さく作る。前世でいったらB4サイズで高さ10cmの箱って感じかな。部屋を汚さない様に作業せねば。
荷物の中から荒砥を取り出し作業台に置く。荒砥を『汎用魔法』の『水滴』で濡らしてからサンゴの化石の出てない側の端っこを削ってみる。ズリズリゴリゴリ…うん、あからさまに砕ける感じではないな。研磨面を確認。砂よりは大きく細かめの砂利が圧縮した様に見える。何というか、前世のひきわり納豆を圧縮って感じ? オニギリよりは粒が粗いのかなぁ。砂岩よりは粗めなのか。…と、岩石を観察したものの、俺は岩石のプロではないので “ 注意して研磨しましょう ” としか言いようがないんだけど。
本来は、次は中砥で整えてみて…なんだけど、何となく “ 砥石ではなく
一番荒い目の乾燥
となれば、完成時の形をどうするか決めてその形状に荒砥を使ってザックリ整形。そこから
さて、どんな形状にするか…。直径3cmくらいの円にして、底面は平らに。サンゴの化石を残しながらハイカボッション仕立てがいいかな。もし研磨中に底面にサンゴの化石が出て来たら裏側も活かせばいい。
底面になる箇所が平らに整えられた。サンゴの化石は認められ無い。これは多分、化石があるのは今見えている箇所だけなんだろう。完成時にいい感じになる様に整形して一旦休憩。ここで荒砥をザッと洗って干しておこう。ついでに俺も休憩。備え付けのコップに『汎用魔法』
さて、続きをやるか……、と思っていた矢先、コンコンとドアを叩く音がした。
「ミーシャ、起きてるか? 休んでいるところ悪いが商業ギルドに来てもらいたい」
リンド=バーグさんだ。
「はい、大丈夫、起きてます」
「悪いな。商業ギルド側で急遽ミーシャに来てもらいたいということになって…」
まぁ、呼び出しをくらう可能性があるって事ぐらい想定はしてましたよ。
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