第108話

子鹿が穫れたのでガルフ=トングさんが革の処理をしていた。鹿革はガラス類の磨きに使うんだって。前世でもセーム革だったか。革の処理はリンド=バーグさんの方が得意とのことだけど今日は仕方ないもんなぁ…。そう言えば、兎の前脚も纏めてあったな。こっちは錬金術ギルドに納品するんだとか。



それはそうと、今日はニラとニンニク入りの餃子ですよ。酢醤油にラー油で食べたいところだな。【粗相豆】の醤油を一つ使うか…、酢は【シークワ】でいいかな? 多分、酸味的にはこれがいいと思う。ラー油は【細辛茄子】を油で煮て作れそう。確か作り方は、湿らせた一味唐辛子に熱したゴマ油を掛けて冷えるまで待つんだっけ? 面倒くさいから生トウガラシでいこう。


食べラーもなぁ…。入っているのはフライドオニオンとニンニクチップと……七味唐辛子? 前世の七味唐辛子には乾燥させたミカンの皮が入ってなかったか? 七味唐辛子の中身を思い出してみよう。唐辛子粉、麻の実、ケシの実、陳皮チンピ、胡麻、青海苔………あれっ!? 六つ??? 陳皮チンピの代用品で乾燥させた【リモー】の皮でも入れてみるか。胡麻の代わりに何らかのナッツ類で、そう言えば麻の実は有るのかな? でも、食べラーを掛けて食べたい、炊き立てご飯も冷奴も無いんだよ。



生姜焼きは醤油を使ったバージョンと、岩塩を使ったバージョン、二種類作ろう。別に贅沢をする訳ではない。醤油が足りないだけさっ(泣) 


餃子は焼き、揚げ、蒸しを提供。水餃子はスープが無いから昨日と同じものは厳しい感じ。茹でただけのものを酢とラー油で食べるならいけるかな? それと春巻きに山鳩と蛙の唐揚げ。そしてメインは猪肉の生姜焼きだ。おつまみ的で川エビのかき揚げに【菊の葉】の天ぷらを。天ぷらは天つゆが無いから塩で食べる。ちょっと小洒落たお店の様だな(笑) そして皆にジンジャーエールも飲ませてみたいぞ。



食べラー……、大麦を炊いて乗せて食べたらどんな感じだろう? 土魔法で『土器』で土鍋を出して炊いてみる? 白米の呪文は「ハジメ チョロチョロ ナカ パッパー」だったっけ? 無理せず茹で大麦の方がいいかもしれないな。



とりあえず餃子の皮の生地を捏ね、大麦のクレープ皮もとい春巻きの皮を作っておく。餃子の餡作りは協力してもらうから後からでOK。【スライム茸】ことナメコは水煮にしておいた。後は生姜焼き用の猪肉をスライスしないと。パイク=ラックさんに軽〜く冷凍してもらってから切ろうかな。本当は冷凍肉を切るのは刃に良くないのだけれど。


ラー油は部屋で作りたくない。野外だな…。風下で作らないと『関所の集落(仮)』が悲惨な事になりそうな予感。ポニー達は避難させておいた方がいいかもしれない。








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