第96話
ドワーフの朝は早いけど、ホーク=エーツさんの朝は遅かった(笑) 『汎用魔法』の『浄化』と『清浄』を使って身支度の後、髭を整えて【サモントーヴァ】入り麦粥の仕込みを始める。大麦が煮えたら皮を剥がした【サモントーヴァ】を刻んで入れるだけの簡単な料理です。好みで野草を入れてもよし。オススメはネギとかセリとか。もしワサビが見つかったらそれも試してみたいところ。
ポニーが気になるので見に行く事にした。飼い葉とかあげてるよね?
ここにいるポニー、馬じゃなくて【
あ、ユニコーンとかバイコーンとかペガサスも【
そして、馬獣人から見たら【
【
「おはよう。なんだ、ポニーを見に行ってたのか?」
「ファイン=ロックさん、おはようございます。だって気になるじゃないですか」
「後ろから近付くんじゃないぞ」
「はいっ」
蹴られちゃうよ。
「ブラッシングしてあげたいんですが、大丈夫でしょうか?」
「騎乗訓練が終わったらしてやるといい」
そんな会話をした後、皆で【サモントーヴァ】入り麦粥を啜る。何とか起きて姿を現したホーク=エーツさんは眼鏡を掛けていた。
「おはようございます。ホーク=エーツさんって眼鏡を掛ける
「ホークは飲み過ぎた翌日は眼鏡なんだよ」
焦点が合わなくなるとか、目が霞むとかだろうか? 何だか面白い判定基準だ。飲んだ翌日でしか確認出来ないのが勿体ないけど。
「あ、麦粥って皆さん口の中を火傷してるのに出してしまってたけど大丈夫ですか?」
昨夜は口の中の火傷のことをすっかり忘れて提案しちゃった。パイク=ラックさん以外、全滅してたんだった。
「そこは、まぁ…」
「ポーションなんて物があるからな」
ガルフ=トングさん曰く、火傷はポーションで治し辛い怪我だけど、口の中がベロベロになる程度なら、一分程度ポーション液を口に含んでから飲み込むと治るんだって。鍛冶師がよくやる指先や腕の火傷は患部を水で冷やした後、ポーション液に指を漬けたり患部に何度も塗ったりして治すものらしい。まぁ、処置が面倒くさいのとポーションが勿体ないのとで自然治癒に任せるほうが多いみたいだけど。
「ホーク、状態回復ポーションを飲んでおけよ。審査官が役立たずだとマズイだろ」
「兄貴、すまん………」
「状態回復ポーションですか」
「ヒト族用の一番効果が弱いやつだけどな。ドワーフならそれで悪酔いは治る」
ジョー=エーツさん曰く、極稀に他種族、主にヒト族がこの辺りに迷い込むことがあるそうで、その時はここの『関所の集落(仮)』に招いて酒盛りを仕掛けて酔い潰してしまうんだとか。確かに余計な詮索や諜報活動をされる前に意識を刈り取れる。そして翌朝、この効きの悪い状態回復ポーションを飲ませて追い出すんだって。
―――――――――――
(誤字修正)
(誤)多種族
(正)他種族
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