第95話
ホーク=エーツさん、レオナルド=ダービーさん、ダン=カーンさんを巻き込んだ宴会も終了。今日新たに三人が冷やしエール沼に堕ちた。ガルフ=トングさんは冷却器具の魔道具開発が早く進むぞと喜んでいたなぁ。
「あの、『ビレッジアップ』には徒歩で向かうんですか? 何日ぐらいかかります?」
よく考えたら移動日程の確認をしてなかった。
「徒歩なら三日から四日といったところだな。今回はポニーで移動するから二日ほどだな」
ポニーなの!? 馬が居たんだ。
「えっ、ポニー!?」
「集落の外れに繋いだから気付いてなかったのか。ホーク達三人が乗ってきただろ。追加でクロネコ印の猫の人が合流することになったので、ポニーを貸して一緒に来てもらったということで、全部で四頭いる」
「『スワロー』に行くのは俺とミーシャで、もう一人はガルフ=トングかリンド=バーグに同行を頼む予定だったんだけどね。 (ヒック…) それならポニーが三頭で済むハズだったんだけど、猫の人がパイク=ラックに用があるって『ビレッジアップ』に同行することになったから …(うぷっ)、パイク=ラックのポニーも必要になったら困るってことで、念の為、一緒に乗ってきてもらったよ。猫の人は走って戻っていった」
ホーク=エーツさんが聞き取り係兼・引率係で、鍛冶師組から選出のもう一人は説明係兼・護衛な訳ね。ホーク=エーツさんって仕事はデキるんだろうけど、あの飲み方は……ねぇ(苦笑) 知ってしまったら、一緒に移動したくない系だな。まぁ深酒させなきゃいいんでしょ?
「モーリッシュさん的にはそれでよかったんですか?」
「『クロネコ印の配走便』のスタッフ達は基本走って配達してるから、心配しなくて大丈夫。むしろポニーに乗るのがイレギュラーだね」
まぁ、飛脚っぽかったし、猫の人なら狭いところも高いところも走った方が安定してそう。
「ポニーは鉱山でもしっかりと働いてくれる優秀な馬だぞ」
「サイズ的にも儂らドワーフにピッタリじゃしな」
「で、ミーシャはポニーに乗れるのか?」
前世でポニーとサラブレッドの乗馬体験を各一回ずつしたことがある。でも、観光牧場でスタッフさんに手綱を引いてもらってノンビリ乗馬体験だったので、そこはノーカウントということで。
「ボク、馬に乗ったことが無いです」
「なら明日は騎乗練習だな。ついでに読み書きと計算がどれくらい出来るかの確認試験もするか」
「あ、筆記試験は答えが分からなくてもいいからね。職校に行ったら全部教えてもらえるから」
出たな、異世界転生あるある、四則計算できますチート、そして初めての乗馬訓練エピソードか…。うん、お約束なテンプレート展開よ(笑)
「まぁ、今夜はこれくらいにしておいて、明日はミーシャは騎乗練習。パイク=ラックとリンド=バーグは荷造りだな。マリイン=リッジは畑の世話だろ?」
広場をザッと片付ける。火を落とし、土魔法で作られた食器類は壊され土に戻る。鉄板とフライパンはザッと洗って火魔法で炙ればいい。余り物は明日の朝食に回るし残飯はスライムのご馳走に早変わり。飲み残しの酒が毎回無いのは流石ドワーフだな。
「あっ、そうだ、明日の朝ご飯なんですけど、【サモントーヴァ】入り麦粥を炊こうかと思うんですが、皆さん召し上がります?」
「要る〜」
「食ってみたいなぁ」
「うぷ……」
「取り敢えず十人前だな」
店長、鮭雑炊✕10入りまーす!!
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