第86話

「ミーシャ=ラック・ハンバーグ、いいんじゃねぇか?」


ジョー=エーツさん、やめて!! どうせならもう少しイイ感じの庇護氏族名にして欲しいです。



新人ニイトはどうだろう?」


「いい感じじゃない?期待の新人って感じで」


…………。想定外の接頭語キター………(涙)


「ミーシャ=ニイトラック・ニイトバーグ」


「ミーシャ=ニイト・ラックバーグ」


「ミーシャ=ニイト・ラック&バーグ」



ああ…、俺、ニイト確定ですか?


「ミーシャ=ニートラック・ニートバーグ」


やめて!! ニイトはともかくニートはやめて!!


「ミーシャ=ニートラックバーグ」



もう…、ね、どこで切るとかどこで繋ぐとか、どうでもいいですわ。




ニート呼びの精神的ダメージで真っ白になっていると、ホーク=エーツさんが俺に声を掛けてきた。


「疲れてるみたいだけど、これから芋麺作りの実演をお願いしたいな」


「あ、はい、大丈夫です。ホーク=エーツさんにも手伝って貰いますので」



デンプンを蒸して切って干す。慣れたら簡単だよ。



少し休憩したら夜に出すメニューの下準備だ。折角だからホーク=エーツさんに「報告のために実際の作業を体験する事は必要ですよ」とかなんとか適当な事を言って手伝ってもらおう。


【茄子花芋】のチヂミもといパンケーキを作っていたら、アレも食べたくなった。コナモンの王道、お好み焼きです。大麦粉と【棍棒芋】と【玉菜キャベツ】があるし、猪肉を入れたら猪玉だ。ソースは無いけどトマトソースと魚醤で誤魔化そう。マヨネーズが無いのは仕方ないけど。今後、産みたて卵が手に入ったら、『汎用魔法』のJSS浄化清浄殺菌のトリプルコンボを掛けてから調理すれば多分大丈夫だとは思う。本当はサルモネラ菌対策で解毒も掛けられたらいいんだろうけども。


あっ、そうだ、マッシュポテトを酢と油で伸ばしたら、ベジのマヨ風って感じになるかもしれない。お好み焼きを誤魔化す名前は…、【棍棒芋】のパンケーキだよねぇ(苦笑)



「しかしミーシャは凄いね。ここの限られた材料で色々作れるんだから。これ、『ビレッジアップ』や『スワロー』に行ったら大変なことになるんじゃないかな?」


「小麦粉や乳製品は有りますか?」


「普通に有るよ」


マジかー。小麦粉があるならパスタを始めとした麺類が作れるよね。


「食材は色々あるけど、芋麺とか【あか茄子】の酒とかは初見だったからね。今から味を見るのがが楽しみだよ」


ここ以外が食材が豊富だとしても、大豆や蕎麦は入手が難しい、もしくは困難なんだよなぁ。絶対に探してやる。それより先に【濁穀】こと米を入手しないと。土魔法『土器』で土鍋を作って炊飯したいんだ。







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