第38話
割れた甲羅は残念だったけど、気になる事が出来たのでジョー=エーツさんに聞いてみることにした。それは紙の事。それも羊皮紙じゃなくて植物由来の紙。俺、大麦飴の包み紙を作りたかった訳です。紙に蝋を掛ければ飴の包み紙に早変わり。蝋はミツバチ由来の蜜蝋か、植物由来の木蝋。こっちは普通に使われているハズ。それも入手し辛い様なら植物油を染み込ませて油紙にすれば良し。
「ボク、ジョー=エーツさんに聞きたい事があるんです」
「おっ、ミーシャ実は俺も話があってだな…。まぁ先に質問に答えるか」
「では先に質問しますね。ジョー=エーツさん、紙ってあります?植物から作られてる物だと嬉しいんですが…」
「紙ならあるぞ。【紙芭蕉】の葉から【芭蕉紙】を作るからな。職人とか錬金術師とかは図面で、後は商人やギルドの記録なんかでよく使うな。比較的大きな街だと普通に買えるが、職人の比率が多い俺らドワーフは、特に図面で大判の紙が要るから自作したりするぞ」
ジョー=エーツさんの説明によると、【紙芭蕉】という前世のバナナに似た植物の葉を刈り取り、水に漬けておいて表面の緑色の部分を腐らせてから表面部分を剥ぎ取り、残った繊維質の部分を
ちなみにインクはクラーケンから採れる【
「一枚でいいので【芭蕉紙】を譲って貰えませんか?後、蜜蝋か木蝋が有ればそれも欲しいです」
「別に渡すのはいいが、今度は何を企んでるんだ?」
えっ!?何でバレてるの!?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(ジョー=エーツ)
そりゃあ、な、ミーシャの目が斜め上に泳いでるからな。何かを企んでるのは見え見えだろうが。
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