第2話

鉱石研磨が趣味になる前は、それこそあれこれに手を出した。ガラス細工は比較的簡単なとんぼ玉作りから始まり、吹きガラス体験をする。七宝焼とステンドグラスも試した。切子は体験したけどムリゲーだった。シルバー彫金も試した結果、簡単なワイヤーワークに既製品のパーツを組み合わせる程度なら何とかなった。竹細工は楽しかったけど籠や笊が増えても困るだけなので早々に趣味としては卒業。鉄関係も、鋳物に刀鍛冶に刀研磨。包丁作りは楽しかったな。造花、彫刻、木工、陶芸、編み物、裁縫、染織、革細工、ついでに料理。漆はかぶれるのが怖かったので避けたけども。あ、プラモを組むのは嫌いじゃない。塗装に凝りそうだし、電飾組み込んだりからの魔改造。行き着く先はジオラマ作りの想像がつくのでので深入りはせず。


お陰様で広く浅く知識だけは増えた。資料と言う名の書籍も増えた。そしてその知識が趣味の鉱石研磨で磨きあげた石を使った作品作りに役立っている。うん、怪我の功名。先行投資成功としておくか。




鉱石研磨の話に移ろう。


俺の鉱石研磨作品は基本、ツルンとした半球の『カボッションカット』が中心だ。原石の形状をさほど気にせず形成できるのが魅力的。ダイヤモンドと聞くと即浮かぶブリリアントカットはやらないのかって? えっ、なにそれ美味しいの? はい、無理です…。研磨体験で水晶使ってやってみたけど結果は散々。工房の職人さん達には「筋はいいよ。気が向いたら入門しにきてね。何なら一緒に仕事しようよ。」と言われたけどね。きっと社交辞令だよ。まぁ、手研磨に飽きたら修業しにいくのもいいかもしれない。


材料は川で拾ったり、海で拾ったり、山で拾ったり。ショップも覗けばバイヤーさんから直接買い付けもする。勿論、道端の小石や砂利も拾う。不法侵入と違法採掘にだけは気を付けている。犯罪行為、ダメ、絶対!!



さて、今夜も石を磨くでござるよ。


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