<前半>リリースされてから約10年後にやっと聞けた曲の話

 ご縁は必要なタイミングで巡ってくるという話を以前書きましたが、まさにそれを感じたことが他にもあります。


 一冊の本に巡り会いました。

 その本はタイトルを知っていたわけでも、著者を検索したわけでも、関連することを検索していたわけでもありません。


 ただ、タイトルを見てクリックしただけでした。


 クリックして驚きました。ある一定期間から、新たな情報を拒否してきたことの関連書籍だったからです。




 1998年あるアーティストがこの世を去りました。

 その後も予定されていたCDは発売され、アルバムも出て、ミュージアムもできて……色んなイベントや関連CDも続きました。


 姉が大好きだったアーティストなので、私も一緒にミュージアムに何度も行きました。

 新曲も聴きました。

 楽しかったです。


 楽しかったんですけど……心が苦しくなったというか。多分、姉も同じような心境だったのでしょう。


 あるときから、新たな情報をシャットアウトするようになっていました。




 2014年、新曲だと騒がれていたのは知っていました。


 けれど、私の心は相変わらず新たな情報を拒否していて、その曲は聴こうとも思いませんでした。


 だって、本人はもうすでにいないんですよ?

 すごい違和感だったのです。




 そうして、2024年6月、巡り会います。

「君のいない世界」


 キャッチーなタイトルだと思いませんか?

 つい、惹かれてクリックしたんです。そうしたら……。


 正直、また見なかったことにしようかとも思いました。けれど、気になってしまったんです。


 色んなサイトのレビューを見ました。読んで後悔したくない、その一心で。


 すると、どのサイトのレビューを見ても『これは読んだ方がいい』と感じるレビューが多く……。


 このタイミングで巡り合ったことには意味があるのかもしれないな、そう思って購入しました。


 実は、姉とも10年くらい振りに連絡を取るようになっていたんですよね。だから余計に縁を感じたのかもしれません。




 ただ、私。

 積読が多い人間です。

 食べ物でも何でも、入手すると満足してしまうような人間です。


 だから、敢えて姉に言いました。

「読んだらあげるね」

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