ベランダ夜裸踊
第三下水溝
第一話
私荒木真斗は普通の証券マンとして働いている。
自分で言うのもなんだが私は”イケメン”である。ダヴィデ像のような美しくとても勇敢な肉体を持っている”イケメン”27歳独り身の私が日々溜まるストレスを発散するためにしていること、それは
ベランダに出て全裸で踊ることだ。
もちろん人目につかないように夜にやるのが私なりのマナー?流儀だ。
今日は特にストレスが溜まっていたせいかいつもより30分も長く踊ってしまった。
朝は毎日決まった時間に起き朝食を食べて家を出る。
「今日も完璧」
鏡を見て前髪を整えた私はそういう。
靴を履き家を出て鍵を閉めていると隣のドアが開いた。
中から最近引っ越しできた
#大学生の女子の水谷さん が出てきた。
「おはようございます。」
私が真っ先に水谷さんに挨拶をした。
すると彼女は
「.....っます。」
と目を逸らしながら、まるで早くその場から立ち去りたいように早口の挨拶をしてエレベーターにのって行ってしまった。
私は自分の”イケメンすぎる”ことを再認知した。きっと彼女は目も向けることができなかったのだろう。まだまだだな。
会社に向かった。
今日は1日を通していつもより楽な仕事が多くすぐに労働が終わった。
そしていつものように街が寝るのを待ち私はベランダに出た。
台風が接近して直撃すると明日は踊れないかもしれないため明日の分もするつもりで踊った。ただひたすらに踊り散らかした。
満足した私がベランダから部屋に戻ろうとした瞬間、蹴破り戸から何かぶつけたような音がした。同時に息を吸うような音も聞こえた。
恐る恐る首を覗かせるとスケッチブックを片手に体操座りをしているあの
#女子大生の水谷さん がいた。
少し暗くて見えずらいがダヴィデ像のような美しくとても勇敢なに体つきの男のスケッチが書いてある。
彼女がこちらを向き目が合った。
多分彼女は壁の手前の隙間からのぞいていたのだろう。
私は脳をフル回転させた、この状況を打開できる最適な言葉を見つけるために。
そして導き出された第一声は
「一緒に踊りませんか?」
アインシュタインでもこの言葉の意味を理解するのは難しいだろう。
しかし彼女は反射的に?言葉を返した。
「はひぃ!」
アインシュタインでもこの言葉の意味を理解するのは難しいだろう。
ベランダ夜裸踊 第三下水溝 @Takaharanotameno
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