第15話 地動説アニメ(チ。-地球の運動について-)と福音派の世界観の謎繋がり

地動説を扱ったアニメの「チ。-地球の運動について-」の中で代闘士のオクジーが「この世界は汚れてる」と言うシーンがあったのが印象的でしたが、実はこの中世的な世界観って、アメリカのキリスト教原理主義とも繋がってる価値観だったりします。この地動説アニメは15世紀という設定なので、その頃チェコのフス派などのプレ宗教改革が盛り上がってた時代ですしね。


再選したトランプ元大統領の取り巻きのキリスト教福音派(キリスト教原理主義とも言われたりする)なのですが、彼らが聖書は一字一句真実で過剰なまでの「モラル」を求めるのは、この世界が汚れており、だからこそ原始教会のような純粋なキリスト教信仰に立ち返るというのが、宗教改革の価値観だったりします。


あまりに純化されたキリスト教の信仰を持っていたがためにアメリカに追い出された人達なわけですが、その人たちの世界観が実はオクジーの言ってる事と繋がってるわけなんですよ。


まさかその世界観がダイレクトにアメリカの大統領選や政治に関わってくるとは意外です。アニメだけの話ではありません。


再選されたトランプ元大統領の世界観はアメリカ・ファーストですが、これは元々ヨーロッパから追い出された熱烈なキリスト教信仰を持つ人たちが、アメリカで「神の国」を作るという所から始まってるのであって、アメリカが「世界の警察」をするのは、その趣旨に外れてるという価値観なんです。


リバタリアンの人たちは、元々ピューリタンのような国家からも教会からも二重に迫害されてきた人たちなので、そもそも大きな政府を望まないし、国家に頼ろうとさえ思わないんです。そういう歴史的経験がないからこそ、日本はリバタリアニズムがよくわからない。


国外に使ってる金をアメリカの産業のために使うというのはそういう世界観なのです。


地動説アニメからも、アメリカの政治思想に繋がる流れが見えてきて面白いですよ。

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