第6話A

「あずさ、別れよう。」

「え、なんで!?なんか私悪いことしたかな?嫌われるようなことしたかな?よくないことも言ってくれたら直すから!」

「それは自分の胸に尋ねるのがいいんじゃない?」

そう言って集まった浮気の証拠を見せる。


「そんな...。」

「あ、ちなみにこれ君の親と浮気相手、神崎の親と学校の情報伝達グループに送ったそうだ。」

「騙したはず...なのに」

「あーあれか。わかるだろ。最初に気づいたのはあの神崎のメール。[多分お風呂入っているところだと思うけど]なんでただの男がこの時間に梓が入っていると断定できる?それに決定打となったのが、

あの写真だ。「モールの売場の逆方向からラブホテルに近い出口に向かってる」と。それで過去を調べてみたら案の定ね。いつからだ?」


「2ヶ月前...ぷはっ!くくくっ!そうか、仕返し気にいったよ。」

は?なんで笑い出した?

「仕返し気に入ってくれて本性表したようで何よりだ。もう情状酌量の余地はない。わかるな?」

「私と付き合えたこと感謝しろよ。このとりえもない平凡野郎が。お前のことなんて嘘告だったんだよ!

あーマジで先輩がちょっと寝取られをしてほしいとかあいつの歪んだ顔が見たいなんて言い出さなきゃこんなことはなかったわwww」


こいつ本当にあずさなのか?少なくとも生まれた時からずっと見ていたはずだ。こんな奴...あずさじゃない。


「やっぱりあの笑顔も全てうそだったんだな。」

「当たり前でしょwwwどう?健気でかわいかったでしょ?」

「ああ、すっかり騙されたよ。まあその代わりこれでお前も終わりだ。」

「終わらないよ。まあどうせ後で分かるか。」

は?と思う。だが、そこには揺らぎがない、表情があった。 


そうして俺は帰った。翌日、学校に登校すると、何事もなく、そのまま時は進んでいた。いや、おかしい。何事もなくだ。そのままその足で文芸部へと駆け出した。

「先輩!どうなってるんですか?」

先輩は驚きもせず、こういった。

「簡単に言うと、失敗した。」

「どうしてですか?」

「仕方なかったんだ...。あれの父親だよ。あれの父親は、君の父親をコネでクビにさせ、私らを退学させようとした。そう、脅してきたんだ。」

「...。」

「申し訳ない...。」

「いや、先輩が謝ることないです。仕方なかったんですから。この件からは手を引きましょう。そっちのほうが賢明です。」

「そうだね...。」

「気晴らしにファミレスでも行きませんか?」

「いいね。」


てこと中高生で大好きサイ○にやってきました。俺の時代はデニー○だったのに。今の奴らデニーズ...?あぁ、あったなそんな店とか抜かしやがる。嘘だろ...。

「先輩、ドリンクバーと、ほか何かいります?」

「いや、それだけで大丈夫だよ。」

お決まりの番号をかき、店員に渡す。

おかしいな。いつもなら先輩、コーラとメロンソーダとか混ぜて小学生みたいなことするのに。まあいいことなんだろうけど。「どうせほぼ砂糖だから、味なんて変わらないよ。」なんて言って。

やっぱ落ち込んでいるのか。

先輩の周りから見ると、不自然どころか似合うアイスコーヒーをすする姿を見て俺は違和感を覚えた。

「で?どうしたんですか、先輩。」

「いや...」

「気にしないでください、先輩。俺はもうあいつのことをどうも思っていません。元からそんなに恨みがましい人間じゃないですし、一発は報いたかったけど、先輩が気にすることじゃないです。」

「そうか。ありがとう、蓮くん」先輩が、ニコリと笑う。

「ッッッ//」そんな顔に不覚にも少しドキリとし、後ろを向いてしまった。

「あれ、照れてるのかい?」

「照れてません!!てかそれより、なんで急に下の名前呼んだんですか。先輩って下の名前呼んだの初じゃないですか。上の名前もあまり呼ばないし。」

「まあ気まぐれだよ」

「ちょっとお手洗い行ってきますね」

「はーい」



[で、そっちはうまく行ってるのか?]

[まあ順調だよ。]

[あいつやっぱちょろいな。お前と同じだ。]

[そういうところが良かったんだろ。]

[まあね]


「誰とラインしてたの?先輩に友達なんているんですか?」

「失礼だね。ラインに友達は50人くらいいるさ...「ちょっと見せてください」」

「50人のうち10人だけじゃないですか!生徒会の人と俺と家族だけだし!それ以外公式アカウントじゃないですか!」

「公式アカウントも操っているのは人なんだ。それならその人と連絡先がつながっているといっても過言ではないかな?」

過言です。おもっきり。

「てか妹さんいたんですね。」

「ああ、私ぐらい美人で私よりスペックの高い自慢の子だよ...。」

「先輩よりスペック高いってすごいですね...。」

「いや、そこまではないよ。私の場合、運動神経が全てのステータスを下げているからね。」そうだった、この人頭や顔が良すぎるから忘れていたが、

運動音痴×クールキャラ×変態というなんとも情報量の多い生物だった。

そしてこの運動音痴舐めてかかると痛い目にあう。


先輩が転ぶこともそれを巻き込むこともテンプレで唯一の弱点らしい。

それのせいで不安感をもたれ、生徒会長になれなかったのはそのせいもある。

まあ単純に今の生徒会長が超つくほどの怪物だからもあるが、多くはそのせいである。


まあ彼女は自分の中学2年生の妹に体力テストで負けたらしい。しかもほとんどがダブルスコアでぼろ負け。高校二年生がだ。



―――――――――――――――――――


もう少しで大きい寝取られが来ます。


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