NTR
第5話A
「さあ本題に入ろうか。結局君はどうしたいんだい?いやどう落とし前をつけさせたい?」エ○ァの碇ゲンドウのポーズをしながら言う...。知ってやってんのかな...。ほんとにこの人に頼って大丈夫だろうか。
「小樽、エヴァに乗れ」
「わかってやってるんですね!可愛い後輩のピンチなのに!」
「まあ完全に社会的に抹殺とはいかなくても相応の報いは受けさせたいですね。」
「なら、とりあえず証拠集めと行こうか。何か証拠はあるかい?親に言ったり、学校に広ませるのにも、証拠が必要だからね。」
そう言われ、俺は写真を見せる。
「うーん、これじゃ若干弱いかな...。もしかしたらただの嫉妬男ってこっち側に矛先が向くかもだから。」
「やっぱりそうですよね。撮ったときはこれでいけると思ったんですけど、見返すとこれインパクト薄くね?って。」
「当分は証拠集めだとは思うけど、2パターンあるけどどうする?」
「2パターン?」
「そう、君が突撃してそれらしい証拠を集めるものと、付き合いながらも裏で証拠を集めるもの。」
「いや、3パターン目です。どっちもやりましょう。」
「まあそれにしても神崎かー」
「なんかあるんですか?」
「あいつモテるじゃん?だから同学年じゃ悪いうわさが多くてね。男子は告白されると調子に乗るやつもいるからね。」
それでも告白する人が多いそうだ。
「具体的にどんなものなんですか?」
「まあ一番わかりやすいのだと処女喰いってとこかなー。告白してきた処女を喰ってやりまくった後捨てるとか。」
「なら先輩たちの学年で転校生が多いのって」
「まあ十中八九それだろうね。」
好きだからという理由で無駄にかばって話さないことが多いらしく、捕まらないのはそれと...」
「後ろ盾、生徒会のことですよね。」
「梓!おつかれ!」
「え!今日も迎えに来てくれたの?てかれんなんか嬉しいことあった?」
「ちょっと疑問に思ってた事がやっとわかってな。」
お前がどうして俺と付き合っているかとかな。
梓は今日の部活中にあった話を嬉しそうに語ってくれる。その笑顔に騙されていたんだな。全く、実年齢が20ぐらい違うのに今さら騙されるとはな。いや、俺もボケてきているのかな。
「あ、もう家前か。梓。なんか俺に隠していることない?」
「...ないよ。」今の間...何かあるのは確定だな。
「そっか。」最後の慈悲だったんだけどなー。
家に帰って風呂をあがる。あ、そだ。先輩と連絡先交換したんだった。
[先輩、神崎の方の首尾どうすか?]
[うーん、あんまかな]
[今から梓と直接話してきます]
[ファイトー、吐くなよ]
[吐きませんよ、もう対象外どころじゃないですし]
[やっぱ君あっさりしてんな。]
[とりま、行ってきます。]
まあ正直寝取られたときはつらかった。だが、高校生のやることだと思うと、まあこんなものかと思った。大人だって不倫するしな。
今から行くと梓にメールを送る。返信のOKをもらってから窓をたたいて窓から入る。これは親たちにばれないように対策したいつものルールだ。
返信が遅い。お風呂に入ってるのかな?あ、確かにお風呂のところの電気だけついてる。
「ガタン」あ、おや、窓が開いてる。
ピロン!梓のスマホが音を立てる。俺の今行ってもいい?という通知の上に神崎先輩と書かれたメールがくる。
[多分お風呂入ってるとこ悪いけど彼氏さんにもう渡した?]
てかあいつ俺の名前れん♡にしてんのか。今となってはキモいの一言だな。浮気しない、優しい性格ならな...。とおもいながら、メールの内容が気になる
あずさはやっぱり浮気していなかったのではないかその疑念が頭に浮かぶ。
いや、そんなことは...。
ピロン!
[どんな感想だったか教えてくれ]
そこでガラガラと風呂が開いた音がしたのでいったん忍び足で部屋に戻る。
部屋に戻ってちょっと考えていた。
「あずさは本当は浮気をしておらずプレゼントを渡したかっただけなのではないか。」と。
確かに並んで歩いていたように思える。それはどうなのだろうか。梓がただ純粋に男子の意見を聞こうとして、誘った可能性がある。あの子は天然だから。
でも相手がなんで神崎なんだ?そんなに接点があったのか。バスケ部を見た限り接点はなかったはず。そんな疑問が目に浮かぶ。
ピロン!
そんな時携帯がなる。
「ごめん、返信遅れた。入って来ていいよ。」
パンッ!クラッカーのなる音。
「付き合って一か月記念!」笑顔であずさがそういう。
やっぱり勘違いだったのか...?
「れーん!はい、これ記念のプレゼント!」
「ありがとう!ごめんね。祝うと思ってなくてプレゼントを買いそびれたんだ。また買うから許してください!」
「れんいいよー。」
その後あずさといろんな話をした。時間を忘れるように。音が聞こえないほどに熱中して話していた。
「やっぱりあずさのこと好きだよ。」
朝起きて昨日のことを振り返り思う。
あれから数日たった。彼女の様子は依然として変わらなかった。そして僕はこう思った。あー良かったな。やっぱり彼女は浮気してなかったんだ。まああのあずさが浮気するはずない。
そう思っているとあいつらは思っているのだろう。残念ながら俺もそう甘くないだろ。
先輩と昨日話して概ね間違いなかった。
あの告白スポットにあずさを呼び出す。
「あずさ、別れよう。」
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