生田緑地
◇◇◇朗読部門 優秀賞◇◇◇
「……絶対に、待っていたりしないでくださいよ?」
『怪談の現場で語られる不穏な通話』
著者=佐倉真理
◇◇◇
☆☆☆講評☆☆☆
岡本太郎美術館や古民家群など、ちょっと不思議な生田緑地に、いくつかの怪談を散りばめることで、半分本当にあった話なのではないか?と思わせられました。☆☆☆
あらためて読んでもすごいな、この講評さんの言い方(笑)
リアリティーがマックスあるよー、って意味だよね、これ。
でも、確かにそうだと思う。
現地で聞く、電話という設定。
生の音ではない、記号化された音を耳もとで聞くという意味で、誰かの声を電話で聞くこととメディアで音声を聞くことは近しいんだと思う。
つまり、これもひとつの回答なのだと分かります。
電話の先の友達が怪談を聞かせてくるという体裁なんですが。
この感じ、ありそうでないかもしれないなあ、と思いました。
似ているものはある気もするけど、ちょっと違う。
現場にいる人(危険地帯)のほうが、現場にいない人(安全地帯)から、その場所にまつわる怖い話を聞いている感じが、スリリング。
新鮮でいいなー、と。
以前ご紹介した和泉さんの『鬼怒川温泉物語』のイヤホン観光ガイドと仕掛けは似ているんです。
けど。
『怪談の現場で語られる不穏な通話』のほうは、電話の相手が友達っていうところがミソだと思う。
赤の他人じゃなくて、普段からよく知っている相手だっていう、ね。
そして友人が無類の怪談好き! って設定がまた良いです。
いやーな話をウキウキ語る友人。
怖い(笑)
主人公と電話の友達との距離感も、なんとも絶妙で、これまた怖い。
なんでもないようにも、ホラーっぽくも聞こえる。
あんまり細かく言うと分析っぽくなっちゃいそうだから、そのへんのニュアンスは実際に作品に触れていただいたうえで読みとってもらえたらな、と思いますが。
このモヤモヤする感じ。
いいですよねー、いかにもホラーって感じで。
好きー(=^ェ^=)
きっと、現地でイヤホンから聴かされたら、臨場感ハンパないのと違いますか?
大きな音で驚かすとかじゃなくて、しみじみと怖そう!
楽しそう!
それにしても。
古民家園のあたりは2度ほど遊びに出かけたことがありますが。
そんなにエピソードの多い場所だったとは!
緑がたくさんでノンビリした良いところだなーと思ってましたよー。
もー、誰も電話かけてきてくれないから、しらなかったよー。
(いや、たぶんホントに、緑がたくさんでノンビリした良い所なんだけど(笑))
朗読部門ならではの語り口が面白いです。参考に読んでみて?みて? ↓↓↓
『怪談の現場で語られる不穏な通話』
佐倉真理
https://kakuyomu.jp/works/16818093072823849504/episodes/16818093072824378763
ハデさはないけど、上手いです。
コンパクトに情報がまとまっている感じも、トーンがブレないところもポイントが高いなあと思うし。
うーん、勉強になります。
なんかさー。
私、なんでもかんでもバカみたいに褒めてるみたいに聞こえるかもしれないけど。
ホントに凄いなーと思えるコトしか褒めてないですのでね!
さすが
では。
そろそろ次の名店に行きましょうか。
くじを引きましょ。
じゃらりらりーん。と。
~次に訪問する名店~
『後ろのミズキちゃん』
碧絃(aoi)
おっ、いいですねえ。
脚本部門の名店が出ました。この作品も好きなのですU^ェ^U
次回の更新予定は8月25日22時です。引き続きよろしくどーぞー。
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