第71話 間話 勇者召喚3人のまとめ
カズオ 《山元数夫》
背が低いが若い頃は顔立ちはまあまあ良かった。
転移した時には日本に妻子がいた。その時の年齢は二十代半ば。幼稚園児の娘、百合子は主人公時夫の母親。
妻の美智子は昭和の時代に母子家庭になり相当苦労をしたようだ。
百合子も母子家庭育ちを理由に夫の親族に結婚を反対され、そちらの親族とは時夫含めて絶縁状態。
本来ならばカズオが勇者として呼ばれるはずだったが、その力の全ては巻き込まれただけの祖父江稲子が手にした。
国から放逐された後は、邪神ハーシュレイから度々仲間の誘いを受けるも、勇者となるはずだっただけのことはある高潔な精神性の為に拒否し続けていた。
アジア人的な顔立ちから長らく差別されていた事と、カズオと関わると邪神とのイザコザに巻き込む可能性があるために、社会や他の人から距離を取り、ホームレスとして半世紀を生きてきた。
新聞で情報収集したり、王国の行末は気にしていたようだ。新聞は他にも色々役立つよね。
邪教徒からのチクリで時夫たち聖女関連の情報を得た事で、日本人の救出のためにもアルマを倒す事を決意し、闇堕ちした。
もしも、ちゃんと勇者になってたら、ハーシュレイも全ての邪教徒もとっくに剣の錆にでもなっていた。
女神官ゾフィーラ 《祖父江稲子》
母親が外国人らしく、アーシュラン国でも受け入れられやすい容姿をしていた。
美人だったようだ。転移した時には日本に婚約者がいた。その時二十代半ば。
元々勇者としての素質は全然無かったために、神の力を一身に受けていた割には強く無かった。
だから負けた。
一時期はその美貌から国王すら求愛していたようだが、邪教徒に敗北した時に老婆の姿になってしまった。
神殿に以降半世紀近く隔離されている。
今でも日本にいた頃や、若さを失った頃の夢を見るようだ。
ゾンビ 《平清司》
転移時は二十歳になりたての若者だった。
完全に巻き込まれただけな上、神に本当に何一つ与えられずに、山中に放逐されて暫くして死んだ。
歳の離れた妹を日本にいた頃は可愛がっていたようだ。
カズオを兄のように慕い、稲子に密かな恋心を抱いていた。
死体はネクロマンサーな邪教徒に利用された。
日本人は死体となった後でも、ハーシュレイやアルマの力との相性が良いために、かなり強力なゾンビとなった。
その力は半端者の勇者稲子パーティを完封する程だった。
片思いの相手を死後に苦しめることになった作中随一の不運で不幸な男。
稲子よりは勇者適性が高く、キヨシの方が勇者になっていたら、ギリギリハーシュレイは倒せたかも知れない。
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