オープニングで勇者に殺されるザコ暗殺者のエルフ少女に転生しちゃったので、その前に勇者ちゃんと仲良くなっておこう ~悪役転生はキビシイです。フラグはどっか行ってください~
41 ただし収入の15%は僕のインベントリに送るよう設定変更、っと。
41 ただし収入の15%は僕のインベントリに送るよう設定変更、っと。
「もうここに用事はないので、根こそぎ奪います」
「おー!」
特に魔王素材。
見逃してはならない。
もしかしたら現実化したことで、レガリアも強化できるんじゃないかって。
なので強力なものが作れる魔王素材は獲得しておきたい。
「マノンは家探ししてください」
「はーい」
僕は素材をインベントリに入れる。
素材、といっても死体なので僕がやる。なんとなくだけどマノンにはさせたくないと思ったので。
「あとはベニにお任せです。有効利用してください」
「きゅー」
嬉しそうでなによりだよ。魔王の素材なんてプレイヤーじゃなきゃ、そうそう手に入らないものだからな。
ダンマスの中じゃ、ベニが初めて魔王素材を扱うのではないかと。
「マノン、ダンジョンに関する契約書があったらください」
「分かったー!」
魔王を倒したからな。
軍とダンジョン関係はオートに設定しなおして、運営していくようにしないといけない。
常夏の国の冒険者にも稼ぎが必要だしね。
……ダンジョンがなくなると、もしかしたら常夏の国が崩壊してしまうくらいの大打撃になりそう?
ダンジョンってエネルギーとか食べ物とかが取れるしなあ。急に電力会社とかが1個消えるとヤバそうだもんね?
ダンジョン運営、とても大事。
「魔王も大事ということですね」
「きゅー」
「いえ? 魔王にはなりませんが」
「きゅー」
「ええ。私はマノンの先生ですので」
「きゅー」
なんかベニは納得がいってないみたいだが、僕は魔王にならないよ?
だってそんなことしたら、ここの魔界に居座ることになっちゃうじゃん。
「先生、多分これで全部」
「ありがとう、マノン」
僕はさっそくダンジョンの設定変更に行こう。
マノンは家探し続行だってさ。事務処理は見てても楽しくなさそうっていう理由で、ワクワクする家探しなんだって……。
魔王城だしな、ここ。見たことない物ばっかりだから、隅々までチェックしたいそうだ。分かるよ。タンスも棚も、ツボも箱も椅子の裏とか机の下とか。
見るよね、お姫様のタンスとか。
だ、男子たるもの期待せずにはっ。
それにあるし?
下着系の装備、そこにあるし?
女子プレイヤーはどう思ってるんだろう……。
配信する人たちはウキウキ調べてるけど……。
変に物を壊し始めると止まらなくなりそうだし。それに現実化したこの世界で、好きな女の子が魔王軍のえっちな下着装備を探し当てて喜んでたら……ちょっと困るよね?
「ベニ、マノンを見ててください」
「きゅー」
さて、ゲームと同じなら魔王の執務室に、設定変更する端末が置いてあるはず。
「あったあった」
魔王軍軍人は、そのまま雇った状態でオッケー。
デミサタンとデミ側近、デミ四天王をリポップさせて、運営をやらせる、っと。
ダンジョンの設定も変更なしで、今のダンジョンマスターにやってもらう。
ただし収入の15%は僕のインベントリに送るよう設定変更、っと。
これで僕は自由に動けて儲かるシステムが1個できた。
ゲームだとだいたい2個か3個キープするのが定番だけど、自分の領地を持たないことにしたから不要かな。
手広くやろうとしたら、襲撃イベントが忙しくなっちゃうからね。現実で襲撃が起きると大変だから、孤島のダンジョンだけでいいや。
レガリアを使ってマノンの勇者村を育てるほうが大事。
そろそろ帰るか。
「マノ……」
「あ、先生」
「……帰りましょうか」
「もう?」
「もういいでしょう?」
なんかガラーンとしてる謁見の間。
たぶん他の部屋もガラーンとしてるんだろう。
素材集めはプレイヤーじゃなくても、やっちゃうものみたい。
魔王の玉座とか取って、マノンはどうするつもりなんだろう?
僕たちはクラフト系のスキル構成じゃないのにさ。
「えー、マノン。ここの魔王軍は私預かりになりましたので──」
全部持って行かれると僕の収入もチョッピリ減っちゃうんだけど?
再設置するのにお金が必要だし。
「え!? 先生ってば丸ごと奪ったのかあ……」
あー……ね?
言われてみればそうかも。
マノンの勇者行動はカワイイほうでした。
「戻す?」
「いえ、持って行っても構いません」
ただ、マノンが持って帰ってどうするのか意味分かんないので聞いてみた。
「きゅー」
「そう。ベニちゃんのお土産だよ」
ってことだった。
「ベニはベニでちゃっかりしてます」
「うん」
「きゅー」
「ありますね」
「うん。そんなことあるよ」
一番儲けてるのはベニなんじゃないだろうか。だって「きゅー」言ってるだけで色々と手に入れてるし。
コイツ……できる。
「帰りましょう」
「はーい!」
ま、僕も目的のものを手に入れたので、不問にしてあげよう。
借家の期限は2週間くらい残ってるから、ゆっくりできる。
なのでマップもまったり清書してからギルドに提出した。テレポーターのトラップがあるので注意するよう伝える。
すっ飛ばして下層に行くからな。
本格的な悪魔系や不死系が出るし、ゴーレム系はコツを知らないと難儀だし。強くなってからじゃないと危ないのだ。
でもそれはみんなで工夫して進んで欲しい。
一気に進まれると僕の収入も減るので。
どっちの陣営もほどほどにお願いしまーす。
「ね、ね、次、どこ行く? 先生」
「そうですね──」
僕たちはのんびり休息と観光だ。
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