第27話 一週間ぶりの飯

目が覚めると俺の部屋にいた。

おそらくデアルでもが助けてくれたのだろう。

それにしてもあのオオカミを倒したのか。

あいつやっぱりめっちゃ強いよな。

俺はベッドから出て伸びをし、体の状態を

確認する。

「よし!体に問題はないな。」

すっかり全快だ。

体を見ると傷一つなかった、

シフィリアの魔術かな。

あとで教えてもらおう。

「△▽⚪︎◯◯◻︎⬜︎◻︎!!!」

びっくりしたー。

急に扉の奥から大声が聞こえた。何事だ?!

まさかまた、化け物が!

「だから!!」

「それが意味わからないって

言ってるんだよ!!!」

俺が慌てて扉を開けると今まで見たことのない大声をだして口論しているフューがいた。

「だいたい、ビュッとかズワッとか

伝わらないから!」

「なんでわからねぇんだ!

ちゃんと教えてんだろ!」

口論の相手はデアルだった。

「え...フュー...?」

俺は状況に混乱していた。

「お、シディ起きたか。

長いこと起きてこないから心配したぞ。」

「ほんとだよシディ、体は大丈夫?」

二人は俺の混乱を無視して容態を

うかがってきた。

「いや、俺は平気だけど...」

「二人ってそんな仲だったっけ?」

俺が疑問を呈すと二人は顔を見合わせた。

「まぁ、お前一週間近く寝てたしな。」

「それにシディが寝てるうちに色々と

あったから。」

デアルとフューはそう言って俺を

納得させようとした。

「いや納得できないから。

二人の距離縮まりすぎね。」

「ってか一週間!?」

「俺そんなに長い時間寝てたの!?」

「寝てたっつーか気ィ失ってたな。」

「母さんが言うには肉体の再生に体力をかなり

 使ったから長いこと起きれないって

 言ってたぜ。」

あぁ、体力を使ったから...

俺は前に崩れるように倒れた。

「!?...おいシディ!大丈夫か!?」

「シディ!どこか体が!...」

フューもデアルも慌ててるけど、

別に焦ることはない。

「腹ァ減ったァァ...」

そんだけだ。

一週間も寝てたと思ったら急激に空腹感を

感じた。

一週間ぶりのシフィリアの飯は豪華な上に

美味かった。

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