第3話 揺れる…

早速神は森を抜けて町にでた。移動手段は瞬間移動。さっきまでてちてち歩いていたのだが熊に踏まれかけたのでビビッて慌てて町まで移動した。


「あくまで偵察だから神と明かせない分不便なことが多いのだ。気持ちを切り替えて早速偵察を開始するか。」


神はサングラスをかけ、さっき森で拾ってきた枝と葉っぱを頭に付けて自信満々に偵察衣装に着替えた。

低木の中に潜み、耳を傾けていると


「このお店の猫プリン最近はやっているんだ!」

「ぷるぷるしてて映えるよね!」


どうやら最近の人間は猫プリンが流行っているらしい。早速神は電波を乗っ取り検索を始めた。

検索をかけるとかわいいというコメントに包まれて、プルプルと揺れる猫が沢山現れた。


「ふむ。最近の食は食べる前に遊びをとりいれているのだな。ところでこれは映えるのか?」


神の疑問をよそに皆猫を揺らしてフリフリと全身を揺らしている。そして一通り楽しんだ後猫たちは人間の胃袋に収められていった。


「…揺れているのが映えるのか?じゃあ我も早速やってみるか。」


そう言って神は低木をゆさゆさとゆすり始めた。町の天気は快晴無風。もちろん木々は揺れていない。はずだった。


「おい!なんか一つだけ揺れてないか!!?!?!」

「お前何言ってんだ…!!?!?!マジじゃねえか!ちょっと撮るぞ!!!!」


男二人は驚いてスマホを揺れる低木に向けて撮影した。その手は震えておりピントが合っていない。


「ふむ。若者の映えというのは揺れることを指すのだな。あの人間も撮影しておる。」


残念なことにそれは映えとは程遠い心霊現象なのだが神にツッコミができる使者はまだ地球に舞い降りていない。


神はもう一度回線を乗っ取り調べるとそこには心霊現象という動画がでてきた。


「あれ?映えやかわいいの言葉がないな?」


神はどうやら視点がずれているらしい。

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