第2話 この国のトレンド
人が沢山いる場所に優雅に着地したら偵察の意味がないと考えた神は森の奥に着地した。
「ここなら人はいないだろう。さて人間は今何に興味をもっているのかな?」
今のトレンドは白い隕石。紛れもなくこの神のことを指している。このことに神は気づくのだろうか。早速神は電波を乗っ取り確認した。
「白い隕石?トレンドなら流れ星とかではないのか。」
巨大な大きさで弾道が明らかに下り、爆発音もない。そんな常識外れの現象が起きれば全員が疑問を持つだろう。しかし神はそんなことを気にしない。のんきに解析を進めていると
「ゆるキャラ?日本にはゆるキャラというものが存在するのか。」
見つけ出したのはゆるキャラ。とあるゆる~いキャラクターのぬいぐるみが小さくSNSでバズっているようだ。コメントを見てみると
「かわいい」
「絶対買います」
「神」
…神?
「このコメントは我を差し置いてこのゆるキャラを神だと思っているのか?」
こんな奴に負けるわけにはいかない。たった一つのコメントに神は確かなイラつきを覚えた。
「ふん。まあ良いだろう。こんなゆるキャラでも親しい文章がつくなら我も真似をすればよい。」
そういって神はみるみる小さくなりスマホサイズの2頭身になった。体は人間の影に同化できるように真っ黒に。あのゆるキャラはTシャツを着ていたという理由で「かみ」と書かれた白Tシャツを。
こうして神は人間を偵察するための恰好を決めた。
「ふっふっふ…。これで我もゆるキャラとしてじっくり偵察してやろうではないか。」
不気味な笑いとともに、神は隠れる用の枝や葉っぱを集めていた。
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