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「で、無理やり、OKさせた、ということか?」
よっちゃんは、善行さんを見ると、ニヤニヤと笑いました。
「そういうこと」
善行さんも、Vサインをしました。
「やるなぁ」
感心したように、よっちゃんが声を上げると、
「やっぱり、もうちょっと、大きなトコを探さないとな!」
バンと善行さんの背中を、叩きました。
善行さんはふと、縁側に目をやると、ボスの側に白い猫が寄り添って
います。
それを目にすると、「あっ!」と声を上げます。
「なんだい?」
よっちゃんは、迷惑そうに聞きます。
「猫に名前をつけなくちゃ」
「そうだな」
「明日にでも、ミツキちゃんに聞かなくちゃ!」
「そうだなぁ」
よっちゃんはうなづくと、またヘラッと笑います。
「おまえ、何だか、楽しそうだな」
よっちゃんが横目で、善行さんに言うと、
「何なんだよぉ」
ヨッチャンがこちらを見つつ、笑います。
「これで、寂しくないな」
そうして、また笑います。
「なんだよぉ」
チラリと横目で見やると、ヘラリとします。
「おまえ、案外と、子供が好きなんじゃないの?」
そう、何の脈絡もなく言うので、
「何を言ってるんだ?」と目をむきます。
「子供なんて、うるさいし、メンドクサイし、苦手だ」
善行さんが言うと、あれぇ?という顔になり、
「あら、そう?」
安心したように、よっちゃんが笑います。
「でもさ」と付け足すように言うのは、あの女の子のことを思う
からなのでしょうか?
「でも…あの母親は、ヤッパリ、好きにはなれねぇなぁ」
善行さんは思い出したように、顔をゆがめてみせます。
「母親が、ろくでもない人だよなぁ~
ミツキちゃんは、イイコなのにな!」
吐き出すように言うと、
「まぁまぁまぁ…」
よっちゃんがなだめると、
「だけどさぁ」とニヤリと笑います。
「よかったな!楽しみが出来て!」
「どうだかなぁ~面倒を背負い込んだような気がするけどなぁ」
口ではそう言うものの、少し嬉しそうに笑ってみせました。
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