第15話

俺とライアンは剣を、ガイルは斧を

ルピーは弓を、エミリーは杖を使って模擬戦をするのだがトネリは一人魔法を使っている


トネリはこの6人の中で唯一、基本属性の魔法が使える。

トネリを「分析」したところ火、水、大地、風魔法に加えて

「魔弾魔法」

魔法を飛ばす事ができる

を持っている事がわかった、これのおかげかトネリは火、水、土、空気で作られた球体を打ちまくってる


その速度と弾幕はかなりのもので俺やライアンでも防ぎ切るのはもちろん避け切る事もできないので一勝もしてないのだが

弓を使うルピー は善戦して

「鉄人」

体が丈夫になる

を持つガイルはお構いなしに突進する事で完勝している


ちなみにこの世界の人間は骨折程度なら一晩寝れば全快して、眼球や脊髄なども含め全ての器官が自己回復するので模擬戦はかなり激しいものになる


ちなみに俺は「スキル名」「スキル名」と連呼してるが、この世界ではスキルとは洗礼の儀で授けられるモノのみを指しており

俺が連呼しているものはみんな「そういうものでしょ?」といった具合だ

まぁ身体能力の一部と考えたいるので

何ができるのか?どういうものなのか?と考える人の方が珍しい


だから人間が基本属性以外に無魔法を覚えていると知らないし「魔法免疫」などはなんとなく魔法が効かなくなってきたな程度


実際、俺が「分析」で見たことを言っても首をかしげ説明するのにかなりの時間が掛かるが

自他ともに何ができるのかを明確にすることができ、鍛錬の効率を何十倍、何百倍にも上げることができる


これは「情報魔法」と地球にあった文化で身につけた概念のおかげでチートと言っても過言ではないだろう


ちなみに物理や化学は既に存在しており

マスケット銃なども存在するので知識チートは出来なかった

ちなみにマスケット銃は弾丸に魔法的に強化した金属を打ち出すのでバカみたいにお金がかかる上に

人間も魔物も時速60km以上で走ることができる上に簡単に弾き落とするらしく使いモノにならないらしい

異世界って怖いなー


そんな事を考えているとトネリとの対戦の順番がまわってきた

「いくよ‼︎」

なんやかんや人見知りがなくなってきたトネリが掛け声を上げながら魔法を打ってくる


地球の人間では避ける事は絶対にできないであろうその弾幕を「情報魔法」とバカみたいに高い身体能力で避ける避ける


避けれないものは「スタンプパンチ」と「スタンプキック」で撃ち落とす


この世界の人間は気にすることもないが俺は全ての攻撃を魔法攻撃と物理攻撃を合成したものだと考えている

魔法攻撃は魔法と呼ばれる自然法則に則らない攻撃で「魔法免疫」で中和できる攻撃だ

物理攻撃は名前の通り


魔法攻撃は大抵の人間が無意識的に保有している「魔法免疫」で中和されるが

中和されても自然法則に則らない魔法はかなりのダメージを与えられる


物理攻撃は人間がかなり丈夫なこの世界では超質量、超高速度、超高温、超低温でなければダメージを与えられない

だが物理攻撃は生活魔法を加える事で

一定以上の威力を持たせると単純な身体能力で防御しなければならない脅威になりうる


まぁ

ライアンが持つ「剣聖」は魔法も物理もガン無視で切り捨てる事ができてガイルの「鉄人」にも傷を負わせる

トネリの「魔弾魔法」は基本属性の魔法に質量を付与できる上にとんでもない弾幕と軌道でライアンすら完封できる

ガイルは「鉄人」で「魔弾魔法」でかすり傷すら負わない

この3人は飛び抜けていて三すくみ状態

大人達にも戦力として期待されているチート持ちだ


そんなわけでかなり粘ったが近接戦闘に持ち込むことができずに途中から魔法でめった打ちにされて終わる

ちなみに痛覚は「脳過剰情報処理」で動きや思考を鈍らせる様なことがあると自動で遮断されるのでめった打ちにされても大丈夫

傷は一晩寝れば治るしね


「や、やっぱ無理だ」

そんな風に傷だらけで倒れ込んでいると

「やっぱりトネリの魔法はずるいよね

私も早く使いたい」

と言いながらエミリーが「祝福魔法」を使ってくれる

「祝福魔法」は回復や強化などを自他ともに行うことができる

今はまだ便利な魔法ぐらいだがチートの片鱗が見え隠れして将来が楽しみだ


次はトネリとルピーが対決するのだが

ルピーが打った弓はトネリの魔法の弾幕にあと少しのところで撃ち落とされて...

ルピーも俺と同じ様にめった打ち


もう言わなくてもわかると思うがルピーもチートの片鱗を見せている

ルピーの持つ「風の加護」は自身や攻撃に魔法的な風を纏わせるのだが

質量、速度を上昇させ自身や射った矢に立体的な動きをつけることができる

速度が異常でもう鬼ごっこでは絶対に捕まえられないし逃げられなくなっているので

将来、成熟して身体能力が上がり

「風の加護」の効力が上がった時どれほど速くなるか楽しみだ


他にも同年代の子供はいるのだが

俺含めたこの6人は将来抜きん出るだろう

俺も?俺もだ

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